人質にした銀行員と警察官を射殺。
女子行員を裸にしバリケードにしました。
1979年に起きた
銀行襲撃人質事件です。
2浪のぼくはまだ大学生で
友人の部屋でミカンを食べながら
麻雀をしていました。
テレビはどの放送局も
生中継をしていたと思います。
テレビではずーっと映像を流していました。
ぼくと同じく2浪している友人が
「あんな奴は射殺したらええねん!」
と叫びました。
ぼくは実はこの言葉にびっくりしました。
びっくりと言うより
凄い違和感というべきかな。
確かになされている事は
あまりに酷い行為でした。
仮に捕まったとしても
裁判制度のもと死刑は確実だったでしょう。
ただぼくが違和感を覚えたのは
日本全国の茶の間でかなりの人が
「殺せ」「射殺せ」と言っているように
思えたからなのです。
犯罪被害を受け殺された人の家族が
そんな思いを言ったとしても
ぼくはそこに触れる事はできないと
思います。
しかし全く無関係の日本全国の人々が
コタツに入りミカンを食べながら
ドラマを見ているような気持ちで
「殺せ!」と言っているのを、
しかもほぼ同時刻に言っているのを
想像したので
違和感を覚えざるを得なかったのです。
結果、梅川はSATの前身の部隊に
射殺されています。
死刑制度の話が出ると
何故かこの梅川の事件と
あの友人の叫び声を思い出します。
実は現在住んでいるのは
この三菱銀行北畠支店のすぐ近く。
現在は三菱東京UFJ銀行と名称が
変わっていますが
建物は当時のままです。
だから余計に記憶に蘇るのかもしれません。
この記事を書いたのは
瀬戸内寂聴さんが日弁連が開催した
死刑制度に関するシンポジウムの
ビデオメッセージで
死刑制度を批判し
「殺したがるばかどもと戦ってください」
と発言した事でネットでの批判が
喧しいとのニュースを見たからです。
でも被害者家族の中には
生きて一生償い続けて欲しいと
思う人たちもいます。
必ずしも被害者「みんな」
ではないと思います。
1989年国連は死刑廃止条約を採択。
2007年アムネスティーインターナショナルは
あらゆる犯罪について発表しています。
世界で
死刑を廃止している国は90ヶ国。
戦時の犯罪などの例外以外は
廃止の国は11ヶ国。
廃止はしていないが
実質10年執行をしていない国が23ヶ国。
つまり実質124ヶ国が死刑廃止国。
存置国は64ヶ国。
これは9年前の資料です。
この差はますます広がっています。
EC加盟の条件には
死刑廃止国というのも入っているそうです。
ところが
国内的には
1989年の調査では
死刑廃止15.7%、存置66.5%
それが2010年では
廃止5.7%、存置85.6%
(「死刑」 森達也著を参考)
世界の流れには逆行しています。
瀬戸内寂聴さんの発言は
このような現状をふまえた発言であり
被害者遺族に
向けられたものではないのです。
むしろここぞとばかり騒ぎ立てている
ネット上にウヨウヨいる
第三者に対してなのです。
死刑制度の問題は
ぼくは廃止すべきと考えています。
ただ日本のこの世論の風潮は
明らかに世界の動向と乖離しています。
多数派が死刑存置だから
政治家は死刑廃止の議論には
積極的には触れません。
