とにかくお土産が嫌い。

お土産を貰うのもあげるのも嫌い。

今まで俺にお土産をくれた人、
今さらこんなカミングアウトをしてごめんなさい。


まず、貰う方。

食べ物はまだいい。食べればなくなるから。
一番、困るのは置物とか。
最近こそ、そんな置物を貰うようなことはなくなったが、
昔はいろんな置物やらキーホルダーやら貰った。

綺麗に磨き上げられた丸い石とか貰ったこともある。
その石がこれまた変な台座みたいなのに乗っていて
「日光東照宮」とかその台座に書いてある。
日光東照宮とその丸い石にどんな関係があるのか
さっぱりわからん。

何が困るって捨てられない。

貰った人に悪いとも思うし、
なぜかちょっと神掛ってるというか、
これを捨てると罰あたりな気がしてくるものが
お土産には多いので非常に困る。


そしてあげる方。

これは純粋に自分にセンスがないことを
実感するのが嫌なのだ。

俺が買ってきたお土産を渡すとみんな
「あぁ、ありがとう」
その最初の“あぁ”はなんだ?

食べ物を買っていっても、
「たくさんある中で、どうしてこれを
選んだんだい?」って顔をされる。

楽しい旅行なのに、時間とお金を浪費する
お土産制度をこの日本から廃止しようではありませんか。


と、かみさんに話したら
「お土産は心がこもっていればいいんだよ」と。

なるほど、そうか。心がこもっていればいいのか。


昔、君が京都に行った時にくれたお土産のボールペン。

先っちょにどういうわけか卵が付いていて、
ボタンを押すと中から怪獣が出てくる。

ガオーって。

京都、怪獣。


黙って、八つ橋、買ってこい。