1月19日(木)BSプレミアムで午後八時から放送予定の英雄たちの選択」。

この番組は一人の人物にフィーチャーし、歴史のif(もしも)にも目を向けながら、現代の人々が歴史から学ぶべきことが何かを教えてくれます。「英雄」としながらも、一人の「人間」として注目しているので、わが身に置き換えて見ると面白いです

 

今回の内容はお市の方 三度の決断戦国時代を生きた女性を連続して特集しているそうです。

 

戦国一の美女と言われたお市の方。織田信長の妹として生まれたために、生涯に三回もの厳しい選択を強いられる。夫か兄か、生きるか死ぬか。戦国の女の役割と葛藤に迫る。

 

お市の方は、信長の天下統一への切り札として近江の浅井長政に嫁ぐ。しかし2年後、長政が信長を裏切り、両家は敵対関係に。板ばさみになったお市が選ぶのは。さらに浅井氏が信長に滅ぼされるとき、長政と共に死ぬか、信長の元に戻るかの選択が迫られる。そして10年後、再婚した柴田勝家が秀吉に攻め滅ぼされる。城を出るか勝家と共に死ぬか?政略結婚したとき、夫が死んだ後、さまざまな役割を課せられた戦国の女性の葛藤に迫る。(ホームページより)

 

 「さまざまな役割を課せられた戦国の女性の葛藤」これが番組の肝となることは間違いありません。番組を見るにあたって知っておくとより深まるものは

 

お市が浅井長政に嫁いだ時点の近江の情勢

 浅井が織田に与したことで、どんな変化が起こったか

織田のもとに戻ったお市の行動が戦国の通例として頻繁にあるのか

 同時期に同じような事態に陥ったケースを経験した人物を探してみよう。

お市と再婚したことによる柴田勝家の政治的意図

 お市37歳。柴田勝家60歳。現代ですら晩婚であるにもかかわらず、関係を結んだのはなぜなのか。

 

 以上の三点ではないかと思いますとはいえ、何から調べたら良いのか。徒手空拳で調べるのは難しいです。この番組には、田端泰子という人物が出席しています。彼女は日本中世史を専門としており、特に女性史に詳しく、多くの著作があります。難易度別でいくつか分類してみましょう。難易度Aから順に難しくなっていきます。ちなみに全て単著であり、共著は省略していることをお知り置きください。

 

 

A.新書・選書

①女人政治の中世―北条政子と日野富子 (講談社現代新書)1996/3

 

②山内一豊と千代―戦国武士の家族像 (岩波新書)2005/10/20

 

③足利義政と日野富子―夫婦で担った室町将軍家 (日本史リブレット人)2011/7

 

④乳母の力―歴史を支えた女たち (歴史文化ライブラリー)2005/7

 

 

 

B.人物評伝(ハードカバー)

⑤北条政子―幕府を背負った尼御台2003/11

 

⑥北政所おね―大坂の事は、ことの葉もなし (ミネルヴァ日本評伝選)2007/8

 

⑦細川ガラシャ―散りぬべき時知りてこそ (ミネルヴァ日本評伝選)2010/2

 

C.研究書

⑧中世村落の構造と領主制 (叢書・歴史学研究)1986/11

 

⑨日本中世の女性 (中世史研究選書)1987/10

 

⑩日本中世の社会と女性1998/12

 

⑪日本中世の村落・女性・社会2011/1

 

⑫歴史のなかの女性の人権 (人権問題研究叢書)2012/12

 

また、小説家の諸田玲子もこの番組に出席しています。主に近世史の作品が多いです。戦国時代を扱った作品をいくつかピックアップします。

 

①築山殿―月を吐く

 

②養厳院(徳川家康の側室)―仇花

 

③お江の方(徳川秀忠正室)―美女いくさ

 

④濃姫(織田信長正室)―帰蝶

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これらの著作で事前に(といってもあと2時間で始まりますが)調べていくと、番組がより面白くなります。また、事後に読んでも問題ありません。ぜひ、実践してみてください。