1.伊藤博文に学ぶ自己実現Ⅰ
62人。これが何の数字か皆さんはお分かりでしょうか。明治以降に総理大臣を経験した人の数です。1885年に内閣が制度として確立されてから132年ですから、就任年数は平均で2年といったところでしょうか。総理大臣を目指し、議員になった人は数千人でしょうから、政治結果はどうあれ、やはり選ばれた人々なのでしょう。
「自己実現」という観点から歴史人物を見るこのコーナーの第一弾は、日本で最初の総理大臣となった男、伊藤博文を取り上げたいと思います。
この記事では、伊藤博文の基礎的な情報を記載し、その生涯における重要なポイントを絞ってみたいと想います。基礎的な情報にうってつけなのは、山川出版社の日本史B用語集です。抜粋するとこのようになります。
【伊藤博文(1842~1909)】
山口出身の政治家。
大久保利通死後の政府最高指導者
華族令・内閣制度を創設し、初代首相。
枢密院議長として明治憲法制定の中心。
初期議会以降、第2・第3次の内閣を組織し、
立憲政友会総裁となり第4次内閣を組織。
政党政治への道を開いた。
晩年は元老となり、初代韓国統監をつとめたが
ハルビンで暗殺される。
非常に簡潔にまとめられています。私が考えて重要ポイントは以下の7つです。
①山口→何を得たのか。
②最高指導者→どのようにのぼりつめたのか。
③初代首相→描いた日本のビジョンとは
④明治憲法→制定への思いとは
⑤立憲政友会→政党政治家に転身した意図は。
⑥韓国統監→アジアをどのように見ていたのか。
⑦暗殺→後世どのように評価されたのか。
このコーナーでは、けっして学術的なことを述べるつもりはございません。あくまで、伊藤が何を得て、何を考え、どんな行動をとったのか、を見て行きます。ですので、細かな出来事や用語については省いていきます。読者には「自分が伊藤なら、どう考えるか」ということを考えてください。ということで次回から、いよいよ初めて行きます。