人生とは蛇行運転。迷い、悩むものです。ではその助けとなるものは何でしょうか。それは先人が生きた道です。我々と同じように悩んだ人々が有史数千年の歴史にはたくさんいるのです。歴史とは、事実を把握することではなく、自分が歩んできた人生と照らし合わせることにこそ意味があります。

 アブラハム・マズローは欲求には五段階存在することをとなえました。

 食べる・寝るなどの生理的欲求

 家の確保などの安全的欲求

 家族や組織に所属することで得られる帰属的欲求

 集団の中で認められる承認欲求

 そして

 自己の個性が最大限に活かされていることで満たされる自己実現の欲求

 歴史に名を残した人物のほとんどは、何らかの形で自己実現を欲求を満たすことができた人物なのではないでしょうか。

 年功序列型社会が崩壊した現在、一人一人が自分の社会の荒波に呑まれることなく生きていくためには、自身を自己実現へと持っていくことです。しかし一人では難しいことは間違いありません。

 ただ、過去に自己実現を果たした人物の背中を追うことはできます。高名な人物の生涯に接することはその一つです。

 このコーナーでは、偉人の背中を追うことで、自己実現に向かうためのヒントをつかみましょう。

 

第一回目は 伊藤博文を扱います。