「みなさんこんにちは、歴史は時空を超えて。スタジオヘロドトス【紀元前24世紀】、アシスタントのミヤコです。」
局長のヘロドトスです。さっそくニュースに入りましょう。
「メソポタミア北方、アッカドの都市アガデのサルゴン氏がメソポタミアの統一をほぼ確実としました。」
都市国家の争いに大きなピリオドがうたれました。このところ戦闘が激しくつづいておりましたが、ついに決着ということですね。
「今回は、このニュースに先立ちまして、局長ヘロドトスとアッカドのサルゴン氏との対談をご覧いただきましょう。まだ統一前での収録ではありましたがサルゴン氏は我々に何を語ったのでしょうか。」
(VTR)=======================================
どうも、ヘロドトスです。本日は、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのサルゴン氏との対談なんですが、なんだか緊張してまいりました。あっ、やってきましたね。
(サルゴン)「どうもはじめまして。アッカドのサルゴンです。」
どうも、はじめまして、ヘロドトスです。本日はよろしくお願いいたします。それにしても最近はすごい活躍をしているようですが
(サルゴン)「いえいえ、そうでもないですよ」
アッカドはもともとシュメールではないですよね。
(サルゴン)「そうですね。まあセム人になります。区別はそれほどないので文化はほとんどシュメールとほぼ変わらないですが」
サルゴンさんは王になる前は何をしてたんですか?
(サルゴン)「実は私、キシュにつかえていたんですが、前の王があまりにも頼りないので、アガデを建設した後に、キシュ王と倒したんですよ。」
それはすごいですね。統治してて何か思うことはありますか?
(サルゴン)「人口も増えていますので、一つの都市を一人が統治する時代はもう終わりなんじゃないかと思います。複数の都市が点と線ではなく領域としてつながっているようにならないといけないなと思います。」
と、いいますと、将来はもっとご自身の領域を拡大していくつもりですか?
(サルゴン)「まあ自分にその力があれば、ふるってみたいと思います。」
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というわけで、サルゴン氏は都市ではなく領域でまとめ上げていく国家をめざしていると明言しています。
「この段階ではウンマのルガルザゲシ氏がラガシュのウルイニムギナ氏を倒したころですからね。」
ルガルザゲシ氏も領域国家を築こうとしてました。そして「国土の王」という称号を用いて、ペルシャ湾と地中海の二つの海に面する領域を獲得しました。
「サルゴン氏とルガルザゲシ氏の一騎打ちというところでしたね。そして、サルゴン氏の勝利と。」
そして、メソポタミアの全域と統一しました。まあアッカド帝国といったところでしょうか。領域でいうとこういう感じなんですが、ずいぶんと広いですね。
「一つにまとめたということはすごい意義があると思いますが、果たして、各々の都市国家はサルゴン氏の命令に従うのでしょうか」
サルゴン氏は各都市の独自性はある程度認めると思うので、心配はないと思います。
「なるほど、アッカド帝国がどこまで拡大していくのか。これからも見ていたいと思います。」
「本日のスタジオヘロドトス、いかがだったでしょうか?ご意見、ご感想お待ちしております。」
今回から質問を設けたいと思います。このスタジオヘロドトスでは現在メソポタミア世界の出来事をお知らせしています。そして、サルゴンのような人物をとりあげたりするときもございます。そこで、視聴者が好きな人物をできればその理由も含めて教えてください。複数、集団でも可能です(ちなみに古代~現代まで時代は問いません)。スタジオヘロドトスは視聴者と双方向に情報が発信できる局を目指しております。どしどしコメントお寄せください。
「本日は以上です。それではまた、さようなら」