さて今年も行ってまいりました、北丹沢12時間山岳耐久レース!
(どんなレースか知らない方はこちらから→ http://www.k-y-trail.com/kitatanzawa/index.html
)
かなりの長文ですが、ご容赦下さい。
「いいね!」は全部読んでからお願いしますwww
一昨年、人生初のトレイルレースをこの地で経験し、去年初完走。
灼熱地獄と山岳耐久という名に恥じないタフなコース、それゆえのレベルの高さ。
今年の目標。
7月末には第一子が産まれる予定で、しばらくトレランから離れる、いや引退するつもりなので、ここを最後のレースのつもりでとにかく自分の力を出し切って完走する事。
タイム的には8時間を切り、あわよくば去年KINGが出したIBUKI最速記録を抜く事。
そして、さらにあわよくば7時間を切ること。
超アバウトだ。全然戦略的じゃない。
まあ、いいや。そうゆう性分でもないし。
前日にKINGの去年の各セクションごとの通過タイムを聞いたので、それを参考にそれからどれだけ縮められるかだが、走力には自信が無いので、やはりエイド滞在時間を極力減らすしかない。
もともとエイドには長居しないタイプだが、5月のSTYではサポート隊の皆さんのおもてなしが快適すぎて、平均で40分ぐらい滞在してしまった。
今回もかおちん、Saruさん、ユキさん、さらに心折れエディさんや渋井さん、ミニー隊さん等など、随所で応援やサポートをして頂けるという有り難い状態なのだが、その誘惑を断ち切っていけるかどうか?
去年と同じバンガローに前泊し温泉に入りご飯を食べて、ほぼ準備を整えて、10時頃に就寝。いつもあんまり寝れないけど、今回は結構寝れた。
翌朝、ご飯を食べて、お腹の爆弾を投下しようとまず朝一番のトイレにいくが、案の定出ない。
レースの時はいつもこうだからと諦める。
バンガローに戻ってテーピングをする。今回はお膝に不安があったので、ニューハレ本を見ながら普通にVテープを貼った上にXテープを貼ってみた。結果的に、これは効く!
今後も長いレースではこの貼り方をしてみたい(あ、引退するんですが)。
今年は例年の北丹の灼熱地獄とはほど遠く気温が低い。
水もそんなにいらなそうなので、極力軽量化する事にした。
水は750mlのボトル(+Shots)と予備のポカリペット500ml。
結局ポカリは道中一口ぐらいしか飲まず姫次の頂上で捨てたので、あの気温ならボトル一つで行けた事になる。
ジェルは9個で1時間に一個、Vespaは3個でスタート前、第2関門、姫次頂上の予定。行動食はジェルブラストとハニースティンガーワッフルとハニースティンガーのバー。だが、結局これもジェルブラストのみでワッフルとバーは食べず。
まだまだ軽量化は可能なようなので来年の宿題としたい(あ、引退しますが)。
スタート前、もう一度トイレへ行ってみるが、やはりダメ。今回もお荷物を背負ったまま走る事に。お腹張ってるぜ。そして緊張の為、水をちょびちょび飲んでるのでお腹に貯まる。アンダーのスパッツに締め付けられ、気持ち悪い。
スタートは去年まがりなりにも完走したので、第1ウェーブでした。
半分よりちょい前からスタートです。やはり回りは速い。皆さん渋滞回避の術は心得ているし、走力もあるし、このスタートの登りを頑張ればどのみちトレイル入口では少なからず渋滞する。
自分も頑張りたいのだが、すでに気持ち悪くペースを上げられない。
というか、もう持病としかいいようがないのだが練習でもレースでもなんでも、最初の走り始めで、ある程度心拍を上げて呼吸が苦しくなりだすと、どうしても「オェー」って吐きそうになってしまう。
何回も何十回もえずき倒して、数回に一度は本当にすっぱい物がこみあげてくる。
これ以上ペースを上げると吐くというペースがあり、それ以上上げられない。
ただ、一度このピークを超えると後は持ち直して、ある程度心肺的な負荷も掛けられるようになる。
もうこれは理由が分からない。精神的な物なのか、技術的な事なのか、単なる練習不足なのか・・・。
そんなこんなでゴボウ抜きされながら、最初の登山道入り口に入る。
まだまだ気持ち悪く、大量の脂汗めいた物が噴出してくる。入口でちょっとだけ止まったが、思ったような渋滞は無く、回りはハイペースで登る。
必至についていくが、「もう今日はいいかな」なんてゆう弱い自分が顔を出す。
調子悪い、気持ち悪いって理由つけて、もうゆっくり行こうかな?
いつもレースの旅に聞こえてくる悪魔の囁きだ。そして、時にそれに負けてします自分もいる。
なんて考えてると、登りが終わった。
下りパートに入るといくらか楽になった。というのも適度に下がドロドロとした状態で、足を滑らせながら身を任せるように下れる為、頑張らなくていいのだ。
半ばスキーしているみたいな感覚で、上手く滑らせながら下っていく。こうゆう路面、俺好きみたい。
ガンガン飛ばしたいとこだが、頭は以外に冷静で、決して行きすぎず、「まだここじゃない、こっこじゃない」と言い聞かせ、常に余裕を持った状態を維持できた。
下りきって、ロード区間へ。
ここは例年ならばずっと直射日光を浴びながら、フラフラ状態で立石建設まで走らなければならない個所だが、今年は涼しい!快適だ!
そして、ここってこんなに実は下ってたっけ?というのを初めて知る。
ただし、快適なのはみんな一緒みたいでバンバン抜かれる・・・・。
今年の北丹で実感した事。
やっぱり、ロードを走る基本的な走力が圧倒的に足りない。
実は、フルマラソン2回、ハーフマラソン2回しか走った事ないし、月間の走行距離も150kmを超えた事がほとんどない。スタートで気持ち悪くなっちゃうのも、結局追い込んだ事全然やってないからなのかな。
トレイルの下りでは無茶な程突っ込めるのに、ロードだと下りでもスピード出せない・・・。
ガンガン抜かれながら、立石建設へ。
気温は低くとも流石に蒸すので頭から水をかけてもらい、ボトルに水を補給。滞在1分弱で後にしようとしたら、Mixさんを発見。Mixさんはずっと前に行ってるのだと思ってたが、すでに顔が白い。まだデッドまではいってないようだが、Lowぐらいには入っちゃってるようだ・・・。
先行きますと言い残し、鐘釣超えの第一ピーク(1280m)を目指す。
あまり渋滞はない。
気持ち悪さも徐々に回復しつつある。
ケイイチさんが前方にチラチラと見えた。
登りは本当に苦手だ。
まあ、みんなツライのは一緒だから言い訳だけどね。
でも今回は、ある作戦を途中で思いついたので幾らか役だった。
よく、石川弘樹さんが大会(信越や平尾台)のコースガイダンスで、「ここは直登で辛いですが、もう自分を機械だと思いこんで登って下さい」って言われてるのを思い出して、「俺はマシーンだ、ロボットだから疲労を感じないんだ」っと言い聞かせ、足を一歩出すごとに「ガシーン」、「ガシーン」と心の中で唱え、そしてたまには口にも出しながら登ってみた。
完全に怪しい奴だが、不思議な事にそうしながら登ると錯覚かもしれないが不思議と足への疲労も若干感じなくなり、且つ時間が経つのが早く感じる。
少し経つと、「あ~つらい、まだかまだか」って思い出しちゃうので、そうしたらまた「ガシーン、ガシーン」。
子供かよ!?
ってな事をやってウダウダ登ってると、第2ウェーブの速いランナーさんが、後ろからガンガン駆け上がってきた。凄いなぁ、ここ走っちゃうんだ~。
実力差に唖然とするしかないが、ここはあれだね、UTMFでピンクゼッケンのSTYに抜かれる選手の心境で、「まあ、俺らは一晩走ってきてる訳だからな」って開きなおるしかないななんて戯言を考えてたら、ネイチャーシーンの大塚さんに声を掛けられた!
普段のセミナーや試走ではユルユル優しい大塚さんですが、やっぱりガチで強い!
後のFBでもおっしゃてましたが、渋滞に悩まされ足も余しつつ5時間45分でゴールしたそうです。速い!
そして、県境尾根分岐でケイイチさんに追いつく。
ここからは700m下って、第一関門。ここも快適に行けたが、スピードには乗りつつも気持ちは抑えて抑えて。
下りきって第一関門。
手元の時計で確か、3時間6分ぐらいだった気がする。
渋井さん、エディさん、ユキさん、かおちんがいる!
グレープフルーツをもらう!超うめぇ!
いやあ、うれしいねぇ。
エイドで水をまた頭からかぶり、ボトルに補給し、キュウリを食べる。
トイレに行きたかったが、長い列ができてたので諦める。
ちょっと行ったところにKingとSaruさんがいたので、立ち寄りサロンパスをお膝にシューッとして、コーラをもらう。Kingは途中でお腹ピーピーになってトイレに入ったそうだ。「サブ7行くぞ~」力強い言葉をもらう。
俺もその気になり、そそくさとエイドを後にする。
3時間9分でエイドを出たので、極力ロスは抑えた。息はまだ多少整ってなかったが。
少し登るとミニー隊の彩さん、石川さん(笑)が。またコーラをいただきパワーアップ!なんでコーラってあんなに美味しいんだろう?
悔しいが、アメリカ人は偉大だぜ。
ここからは試走でもいかなかったので1年振り。もうどんなだったか忘れてたが、400m強の登りで意外にきつかった。
途中で、そういえば関門でエディさんに、UTMFのアダムのようにウォーラーをキレ気味で催促すんの忘れた!と後悔。
まあ、次の第二関門でやればいっかっと仕切り直し、ここも「ガシーン、ガシーン」でクリア。
これ使えるね。
ここから第二関門までは7.2kmの下りの林道、といっても決して快適ではなく、滑るしガレてるし一筋縄ではない。
ただ今年は雨が降ってて、涼しいのが救い。
去年、関門1時間前にここに着いて、ここから必至で走ったのを思い出した。
多分、去年よりもタイム的には速いのだろうけど、回りからは抜かれていく。ここでもロードの走力の無さを実感する。
キロ6分ぐらいなのかな?そうゆうの計れる時計持ってないから分からないや。
滝が流れてるけど、さすがに今日は水浴びしている人はいない。
エイドが近づいてきてテンションがあがり、ペースも上がって快適に飛ばしてると追い抜きも出来るようになってきた。追い抜くために横に移動したら、そこが意外にガレてて石に躓いてしまい、スピードも出てるので耐えられず前のめりにずっこけて、キレイな前回り受身一本!痛い!手とか肘とかケツとか痛い!今も痛い!
さらに起き上がり際に、右太もも内側がピキっとツリそうに・・・。
「おお、ヤバ、ここまでか?」っと思ったが、しばらくゆっくり歩いてみて大丈夫だったのでまた走り出す。
同じ人に追いつく。
内心「人が隣でコケたのに知らん顔しやがって!」とイラついてたが、スッとパスさせてもらう。
そして第二関門前のエイドへ。
ここでは水を補給し、レモンを一切れだけ。
関門過ぎにはまたかおちん、Saruさん達がいるはずだし!
Madスペシャルドリンクも飲めるはずだし!
ニコニコしながら関門へ。
時間は4時間33分。
・・・・えっ、てか誰もいねえし。
・・・・ウソでしょう。
いやいや、階段を下りた所にいるのかな?
な~んて思いつつ、階段を下って橋へ。
去年は橋一杯に人が座り込んでて、そこで補給したり休憩したりしてたが、今年は誰もいない。雨が降ってるからなのかとも思ってたが、他の皆も立ち止まらずにそのままこのレース最難関の姫次へとアタックしていく。
やっぱ6時間で走るような人達はこんな所で座り込んだりしないんだなぁ。
んでさ、本当に誰もいない・・・。
ガーン!
後から聞いたのだが、ほんの少しだけ速すぎたようだ。
期待してたMADが注入出来なかったのが残念だったが、ある意味これもいいネタになるなと。
サポートが間に合わないぐらい速いってかっこいいかも(笑)なんて思いつつ、息もキレギレ姫次へ登る。
ウォーラーも要求出来なかった・・・。
しかし息を整えずに姫次アタックするのは自分には無謀すぎるチャレンジだったようだ。
途中立ち止まり、水分補給とジェルをフラスコに入れる為にしばし休憩。ベスパも取る。
さあて、ここからまた「ガシーン、ガシーン」の世界。
「俺はマシーンだ、乳酸なんか溜まらない」
「俺はロボだ、感情もない」
「俺はコンピューター、プログラム通りに動き続けるだけ」
結構、このまやかしは効いたが、流石に姫次。
最後はつらかった~。膝に手を当てながら、ほぼ地面すれすれぐらいまで体を折りながら登った。
これが最後の登りだ。
このレースでも。
そして俺の短いトレラン人生でも最後の・・・。
一歩々、踏みしめるように登ると、思ったよりも早く袖平の私設コーラエイドに着けた。
ありがたいなぁ~、コーラ。
ここまで来たら、姫次まではもう本当に少しです。
そして、本当に登りは終わり。
ザックに残っていたポカリを捨て、ボトルに水を半分入れて、足早に姫次を後にする。
時間は、6時間18分。
トップ選手はここからの下り約9kmを30分程度で行くという。
俺にそれぐらいの足があれば7時間切り、サブ7なのだが。
現実的には厳しいと思いつつも、本当に最後の最後の下りを自分の限界まで出し切るつもりで激走する事にする。7時間切れなくても、一桁の遅れなら惜しいと言えるのではないか。
今まで抑えてた分を全部吐き出す。
ガシガシと腹筋とか体全体に衝撃が走るほどスピードを上げる。
足への衝撃も半端ない。
けど、それが何故か楽しい。
ここでまで追い込める程足が残っていると北丹も楽しいんだなぁ。
楽しい事なんて何一つ無いと思ってた北丹にもご褒美ぐらいはあるものなんだ。
下りで結構抜いた。
けど、自分が精一杯出してても、それを抜いてく人もいるんだな。
上には上がいる。
時計を見たら7時間1分。
サブ7はやはりならずか。
けど10分以内にはいけそうだ。
1分でも削りたい・・・・。
その1分に何の意味があるのかなんて分からないけど。
流石に膝が悲鳴を上げる。
痛い!
が、その痛ささえも何か良く分からない、感情に支配される。
痛くて泣きたいのか、嬉しいのか、終わるのが悲しいのか?
アダムばりに感極まりそうになるのを堪える。
なんかふと冷静に戻り、ここじゃなくて、まだまだ先に自分が本当に泣くべき場所があるような気がした。
それがアダムのようにUTMFなのか、他のどこかなのかは分からない。
そして意外に冷静だ。
バンガローに立てかけてあった、MAD-CROCの幟を取ってゴールしなきゃっと、バンガローに目をやる。
IBUKIの幟もMAD-CROCの幟も見当たらない。
どうやら、かおちんやSaruさんが持っててくれてるのかな?
っと思ったら、Saruさんがやっぱり持っててくれた。
これにはホロリ・・・。
幟を持って、全力で疾走する。
かおちん、しょうべいさんもゴールで待ってくれてる。
よく分からない雄叫びを上げながらゴール!!
今回はマジで今までのレースで一番と言える程、出し切った。
STYよりも全力を出したし、達成感もあった。
手元の時計では7時間8分12秒。
姫次から約50分できたみたい。
まあ、上出来でしょう。
去年は完走はしたものの、姫次以降全くモチベーションが上がらず、グダグダの9時間50分。
去年が遅すぎるだけだが、自己ベストを2時間42分も更新!
人間やれば出来るもんですね!
まだまだ課題ばかりで、努力も足りなくて、上には上がいて、考えられないぐらい速い人もいっぱいいるから、あまり生意気な事は言えないけど、ほんの1年前までは超ヘタレで泣き言ばかりで、怪我ばかりしてた自分でもここまでやれました。
以前の自分もそうだったけれど、なんとなく自分の可能性に蓋をしちゃっている人達も、ほんの少し踏み出すだけで、自分が限界だって思ってた壁なんて割と簡単に超えられちゃうと思います。
自分のポテンシャルは(肉体だけでは無く精神的な事も含め)、実は自分は自分が思っている以上に実は上だったりします。しかもかなり。
自分もまだまだこれから精進して、自分の想像以上の自分になりたいと思います。
2年前にはここまで走れるなんて、思いもしなかったし、走れるとも思ってなかったです。
自分が走り始めたのは超偶然の出会いがきっかけだし、今だから言えますが、初めての北丹は急遽の代走で出ました。今から考えたら、初めてのレースに北丹なんて無謀すぎて出来ませんが、そこには無知が故に飛び込めたというのがあるし、飛び込んでみてやっぱりダメだったけど、また来年来てやろうと思っている自分がいる事には自分自身が驚きました。
幸い自分は一人では無く、共に励まし合ったり、刺激しあったり、応援しあったりというチームメイトや、ラン仲間達に沢山恵まれています。
普段はアホな事ばかりFBで言ってて、皆さん辟易だと思いますが、いざレースとなれば頑張ってみちゃおうかな?っと思えるのは、チームの皆さんがいるからです。
っという事で、これからもやっぱり皆と一緒に走りたいので、タイトルとは裏腹にやっぱり引退はしません!
レースからはちょっと離れるかもしれないし、今ほど頻繁に山とか行けないかもしれませんが、影でひっそり練習はしときます。
そしてやっぱり僕は、「いつかあの山に頂」へ行きたいな。
出来れば、1人じゃなくてチームの皆と。
そこで泣くのかな?
~ Fin ~