アイデアの断片 (主にゲーム開発のはなし)

アイデアの断片 (主にゲーム開発のはなし)

マンガ家アシスタントを経て、
現在はゲームクリエイターとして、ディレクション、プランニング、アートディレクションなどをなりわいとしています。
そんな自分もモノを創ることへの思いを肩肘張らず書いていける場になればと思います。

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一口に企画と言っても、その中には雑用係からプロデューサーまでいるわけですから、人それぞれ本当にスキルが違います。

極端な話、特別な技能がなくても誰でもなれる。
ただそうは言いながらも、行き着く先としてはプロジェクトのリーダーになることも期待されてたりする。

自分が感じるゲーム業界の企画職のくくりはとても「雑」です。
現在の企画職はその職務がかなり多岐にわたっています。なので人それぞれ企画のキャリアを積んできた「道筋」により、その得意なことや出来ることが大きく違っていると思います。

「企画はアイデアを考えられて当たり前」と思っているような人は多く居ると思いますが、上記のように「道筋」が違えばアイデアを考えるスキルがある人、無い人がやはり存在してしまいます。
そうとは知らず今まで機材管理ばかりをやってきたような企画者を無理やりメインプランナーにしたらプロジェクトに破綻が起きるでしょう。
破綻までは行かなくても適材が適所にいないことで開発スケジュールを遅らせてしまうような現象はよく見かけます。

マーケティング、コンセプトのプランニング、仕様書の作成、脚本、レベルデザイン、工程管理、外注管理、機材管理、デバッグ管理、メンバーの管理、雑誌対応、取材対応、会議招集、会議資料作成、トラブル対応・・・
以上の様な仕事を「企画者」は行う可能性があるわけですが、自分の場合は携帯ゲーム機や業務用機種を担当しているので、上記の作業を1人~3人で行う事が多かったように感じます。

ひとつの職種としてくくるにはあまりに業務が多岐にわたっていると思います。
これらの仕事にすべて一人づつあてがう必要はないですが、その作業内容をしっかりと認識しプロジェクト規模に見合った人員配備を行うべきと思います。
またそれにともなう各業務ごとの人材育成は計画的になされるべきでしょう。

企画者は万能ではありません。
極端な話専門能力がないから企画になってるとも言えなくもないので、そうなると逆に能力が劣ってる場合もあります。
アイデアを考える仕事と開発行程を管理する仕事はやはりスキルが違います。
企画者に万能を求めると個性の無い浅い技能を持った人間ばかりが増えるかもしれません。

自分としては万能を求めるよりも、職種をある程度分割しそれぞれのスペシャリストを育成できればとても強い開発が出来るように思います。

娯楽作品の集団作業においては大先輩である「映画」があります。
映画のスタッフはしっかり確立された分業のシステムの上に構成されていると思いますので、まずはそれをベースにゲーム開発に見合った職種の分割をし、それをゲーム開発全体で一般化出来ないものかなと自分は考えます。