「ハイ、これ、開けてみてくれる?」

 

あたしはそー言うと、持参した個別包装のジェルスティックを

 

舐め犬クンにポンと渡したの

 

袋を破ると、中からコンパクトで針のない注射器のよーな形状の

 

白いシリンダーとそれを押し出すピストンが出て来たわ

 

針の代わりに、先端の小さなキャップを取り外して

 

それを膣の中に差し込んで押し出してやると

 

その中には、膣内フローラ(細菌叢)を構成する、乳酸菌の1種の

 

ラクトバチルス菌が入った潤滑剤が出てくると言うものだったのね

 

舐め犬クンはあたしに指示されるまま、ジェルをMの中に入れると

 

そのまま怯むことなく、精力的にクンニを再開したの

 

そーね、ジェルで潤いが追加された分、気持ち良さも改善されたかも♡

 

やっぱ、キスを始め、愛撫には潤いは絶対不可欠ね!

 

時々、彼は思い出したかのよーに、あたしのおっぱいや

 

おぉ、余計なお世話なことに、そのままあたしにキスまでしてくれるものだから

 

不本意ながら、あたしもそのジェルを共に味わう羽目になってしまったわ汗

 

そーねぇ、味は乳酸菌だからもっと酸っぱいのかと思っていたら

 

ほとんど無味無臭だったわね

 

ホーント、これならまだあたしの愛液の方が

 

はるかに味の変化に富んでいるってものよ、笑

 

時として甘かったり、苦かったり、しょっぱかったり…とかね、笑

 

そーよ、その都度、メンズは驚いて教えてくれたりしたものよ

 

だけど!!

 

そーやって、ジェルで表面上の潤いは何とか誤魔化せたとしても

 

まだまだ本調子を取り戻せていない心までは潤せなくて

 

舐め犬クンには悪いけど、あたしはどこか冷めたままでいたわね

 

それでも、彼のクンニを中断させなかったのは

 

そーは言っても、やはりクンニの名手、舐め犬クンだけあって

 

それなりにはそこそこ気持ち良くはあったのよ、だからかな

 

さて、あたしが開腹手術を受ける前だったなら、

 

さすがにこーしていつまでもダラダラと締まりなく

 

クンニを受けていてもキリがないから

 

中イキに比べて快感度合いも落ちて、その分得やすい外イキでさえ

 

やはりあたしは腹圧をかけていきまないと得難いのだけど

 

はて、それも術後で難しい今、どーしたものかと思いあぐねていたら

 

まさに渡りに船で、舐め犬クン自らこー言って来たのよ

 

「ね、もー入れてもいい…?」

 

おや?!

 

舐め犬クンにしては実に珍しーことねぇ…

 

だって、舐め犬クンってば、よくこーこぼしていたものだから

 

「僕はいつまでもエンドレスでクンニをし続けていたいタイプ

 

だけど、相手の女性は、やっぱりそれだけじゃ物足りないみたいで

 

直ぐに、入れてって、挿入をねだられてしまうんだ…」

 

彼はあたしの返事をろくろく確認することもせずに、余程我慢できなかったのか

 

枕元に備え付けられてある、2個目のコンドームを手にすると

 

薄明りの中、がさごそと装着し始めたの

 

「ね、舐め犬クン、ちょっと待って、挿入前にもう1本、

 

このジェルを挿入してちょーだい」

 

あたしは慌てて、彼に2本目のジェルを渡すと、

 

Mにジェルスティックを挿入して貰ったわ

 

その間にも、気がそがれて、彼のP

 

再び萎(しぼ)んでしまうのではないのかしらと

 

どこかで危惧していたところがあったけど、

 

今回に限ってはそれはまーったくの杞憂だったわね

 

彼は相変わらず、硬さを保ったままの自分Pの先端を

 

あたしのMに当てがって来たから

 

今回もあたしは慌てて、自らの指で小陰唇のひだを開いてやると

 

挿入してもらったばかりの潤滑剤をその入り口に塗りたくって

 

舐め犬クンが入ってくるのを待ち構えたのよ

 

彼のPがあたしの中に差し込まれた途端、ぐふって、

 

これから始まる甘美な期待があたしを貫くのを感じずにはいられなかったわ

 

おぉ、それから!!

 

ぐんぐんと力強くあたしの奥まで侵入してきた彼のPは、

 

これまで数える程のメンズしか到達していない、

 

あたしが密かに名付けてる、「秘密の小径(こみち)」のスポットに

 

偶然だったのか、ずぼっと突き刺さると、そのまま彼は

 

ソフトだけどダイナミックに前後にピストン運動を始めたの

 

おぉ、まさにそこなの、そこなのよー!!

 

ねぇ、知ってた、今、キミが突き刺してるそここそが

 

あたしを虜にしてしまう魔法のスポットであること!

 

だけど!!

 

あたしは思いがけなく彼のもたらす、強烈な快感に

 

ただ喘ぎながら噛み締めるので精一杯で、

 

それを彼に伝えてやることが出来ないでいたの

 

それでも辛うじて伝えられたのは、たったこれだけ

 

「…ねぇ…舐め犬クン、今の…挿入した位置…覚えていてね…

 

…とーっても…気持ち…イイから…」

 

「え、今の位置?え、僕にはどこなのか、その違いが分からないよあせる

 

でーしょーね!!

 

ここまで教えてやると、大抵のメンズは何となくその

 

「秘密の小径」の位置を体感で理解し覚えてしまうものだけど

 

うーん、なるほど、舐め犬クンらしー反応だわね…笑

 

キミはそもそも、目の前の自分の快楽を追い求めることに必死過ぎて

 

あたしという女体の木はおろか、2人を包み込む、

 

セックスと言う森の全貌さえ見よーとしていないのだからね

 

あたしは次回、きっと訪れないだろー、

 

今回限りのこの快感に集中して酔いしれることに決めたわ

 

おっと!!

 

あたしの思いがけない言葉に動揺でもしたのか

 

それまで良かった、彼のピストン運動に乱れが少し生じて

 

あたし好みでなくなったわ

 

それなら、ここであたしが自ら動いてアシストしてあげましょ

 

そこであたしはソフトにかつ小刻みに自分の腰を振ると

 

再び自分好みの動き、リズム、強弱へと戻したの

 

何度も言うけど、これまでのあたしだったなら、

 

自分で果敢にも中イキを取りに行くべくして、

 

相手のメンズの動きを問答無用で制止させて

 

これでもかって、腹圧かけてMを締めに締めて締めかかりに入っていたわけだけど

 

その中イキを取りに行くための、新しーやり方、方法を得るきっかけとなったのが、

 

幸か不幸か、こともあろーに、盲腸の開腹手術だったとは!!

 

やはり、あたしが常々言っているよーに、

 

まさにこの世の沙汰には全て、光と闇との二面性があると言うことね!

 

相手メンズの動きをこれまでのよーに制止するのではなくて

 

自らそっと加勢して、自分好みへと微調整してやる

 

まさにその時に大いに参考になったのが、

 

その詳細は過去記事「トーキョー・フェローズ」でも書いたよーに

 

先月、上京した際に、あたしのセックスアドバイザーでもある、

 

みやび性愛大師から教わったことだったわね

 

そ、彼女にあたしの子宮辺りに手を添えて頂きながら

 

あたしは彼女が与える共振を通して、

 

ソフトながらも永ーく続く、中イキにも似た感覚を体験していたの

 

そ、今のあたしが感じている快感はまさにそれに似てると思ったわ

 

いいえ、厳密に言ったら、あたしがその時に共振を通じて感じた感覚に倣って、

 

それをまさに再現しよーとしてると言っても過言ではなかったわね

 

あぁ、緩やかに、そ、いつもよりも少し緩やかに、中イキのタネが昇ってくる!

 

そのタネが子宮を突き抜けて、やがてみぞおちあたりまで昇ってくるのを感じると

 

それがいつものよーに、そのまま頭上まで抜けていくのではなくて

 

ふつふつと小さなあぶくにでもなったかのよーに、

 

再び、結合部のMの根元に戻っていく、そーんな感じがしたわ

 

そんでもって、回目の中イキに比べたら、そーんなに強くないものの

 

そーね、言うならば、回目の中イキの小さなさざ波みたいなものが

 

1回目の中イキの少し後であたしの子宮辺りまで押し寄せて来たという感じかしら?

 

それから、またしても3回目の、直前の2回目に比べると、それよりかは大きく

 

だけど、1回目の中イキよりかは小さい、快楽の大波が押し寄せて来たの

 

それからまたしばらくして、4回目の小さな中イキのさざ波が押し寄せて来て

 

やがて、波が砂浜から引いていくよーに静かに消え去って行ったわ…

 

え?えええええええ?????

 

ひょっとして、今のこの4の大小様々なさざ波が、

 

いわゆる「連続中イキ」だったと言うの?!

 

あたしはどこかでそー冷静に今の現象を受け止めながらも

 

片や、途切れることなく押し寄せて来た快楽の波に、

 

その間ずーっと嬌声を上げっぱなしだったわ

 

舐め犬クン、案の定、キミはたった今、あたしの身の上に起こった

 

この、記念すべき出来事なーんかに、気付いていやしないみたいね

 

分かってはいたけど、そんでもって、言ったところで

 

きっとキミには伝わらないだろーとは思ったけど

 

それでも、このあたしにとって長年の執念メラメラだった、

 

連続中イキを得られたことを分かち合いたくて、一応、伝えてみたのよ

 

「…舐め犬クン、あたし、たった今、まさに連続中イキ出来たみたい…」

 

「…」

 

相変わらず、目の前のあたしの反応などお構いなしに腰を振り続ける

 

キミには聞こえなかったみたいで、返事もなかったけどね…

 

 

to be continued...

 

 

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