やーっぱり、あたしという女は、
確実に自分の欲しいものを引き寄せていると思う
それもそんなに大して時間をかけることなく
例えば、セフレメンズにしてもしかり
ぼんやりと20代の頃の、カメルーン人のセフレを思い出して
もー1度、巨根の黒人セフレが欲しーなと思ったら、
ひょっこりとアレックスと出会ったし
「(自分の挿入にとって)非効率で無駄な愛撫は施さない」と言わんばかりに
実際にこちらが長めのクンニをねだったものならば
「俺はお前の舐め犬なんかじゃねーぞ!!」って逆切れした、
策略家で叩き上げセフレ、タツノスケ師範の愛撫を物足りなく思っていたら
その反対に効率的ではないし、あたしと逢瀬している間は
片時も離れたくない、離れるもんかと言わんばかりに
執拗で甘美な愛撫をずーっと施してくれる
舐め犬クンともこーして、またもやひょっこりと出会ってしまった
そんでもって、タツノスケ師範なみに、
あたしが会いたいときに気軽に会えるセフレがいたらいいなと思っていたら
その役割をも、こーして舐め犬クンが担ってくれているというわけ
だけど!!
うふふ、この世の沙汰には全て、光と闇との二面性があるというもの
ちなみに、この娑婆で光か闇かのどちらか一面しか見られないヤツは
洩れなく地獄を見ることになるから、
この真理をしーっかりと肝に銘じておいた方がいい
あ、でも、あたしゃ、地獄もなかなか乙なもんだと思っているけどね
そりゃ、アンタ、平和過ぎて退屈極まりない天国よりかは
これでもかって、あたしの5感や第6感までをもフルに刺激してくれる、
地獄の沙汰の方がはるかに面白いってね
さてと!!
すーっかり話が脱線してしまったところで、
上に書いた舐め犬クンの特徴が美点だとしたら
同時にそれが彼の欠点でもあったりする
それはなぜかと言うと、彼はいつだってあたしへ愛撫することを執着するあまり
こーして会っていても、彼とほとんど会話らしー会話をしたことがない
すなわちそれは、ピロートークと言う名の、休憩、気分転換のなしを意味するから
従って、待ったなしの第2戦目に突入せざるを得なくなってしまう
いつものあたしだったらそれはそれでなーんにも問題なかったのだけど
今夜に限っては、久々のセックスだったものだから、
先ほどの1回戦であたし的には不覚にもかなーり満足してしまった様子で
欲を言えば、もー少しこのまま、入浴を挟んだ後でも、休憩しておきたかったのよ
しかーし!!
何とか彼との会話の糸口を見つけたくても見つけられない、
そーんなあたしに、舐め犬クンは待ったなしで覆いかぶさってくると
今度はそのまま、彼のお家芸である、クンニをあたしに始めてしまったの
だけど!!
我が体ながら、どんなに彼から巧みな愛撫を受けよーとも、
自らの心を映し出す、それの忠実で残酷な鏡であることには違いない
舐め犬クンは、今夜が久しぶりだったせいもあるのか
いつもより心なしか激しく、あたしのありとあらゆるMのひだを
掻き分けて、それを口に含んだり舐めたり、引っ張ったり
舌を這わせたり、同じく舌を挿入したりするほどに
「あたしのMってば、第1回戦でのあの大洪水だった愛液は
一体どこへやら、まさか舐め犬クンが全て飲み干してしまったの?」
と言わんばかりに、ますます干からびていくよーだったわ
おまけに乾いていくのは、あたしのMの中だけではなくて、
彼の口中も同じだったみたい
その2つの干上がった粘膜同士の接触は、もはや双方にとって不快感、
あたしにとっては痛みしかもたらさなかったわね
でも、いつか彼の愛撫の波に乗れたら、再びあたしは濡れてくるかも知れないって
一方で、あたしは辛抱強く待ってもいたけど
そーそ、あたしはぼんやりと、タツノスケ師範のことを思い出していたわ
それと言うのも、タツノスケ師範ってば逢瀬のたびに
ポカリスエットを持参していたのよ
いつぞやは、そーんな彼にあたしが、
そーんなにもポカリが好きなのかって訊いたことがあったの
すると、彼はこー言ったのよ
「いや、好きだから飲んでいるのではなくて、
セックスの前に相応しいドリンクは何かとありとあらゆる種類を試してみた結果、
ポカリに落ち着いたから、それで飲むよーにしているだけなんだ」
「え、それってば、一体、どーいうことなの?笑」
「ほら、ポカリは体内浸透圧作用を意識して作られたドリンクだろ、
そのせいなのか、セックス直前に飲むと、口の中の水分が随分と保たれて潤って
その口で愛撫してやると、女たちの感じ方が良くなってくるのさ」
そーいう彼は、あたしのFだって、こーダメ出ししてきたものだったわ
「キデはそれなりにFテクはあるけど、唾液少なくて口中が乾きがちだから
その分、減点して、ま、60点ぐらいかな…」
おぉ、口中水分少ない愛撫のまずさって、まさにこー言うことね!!
一向にお互いに濡れそうにない、潤いそうにない粘膜にうんざりして
あたしはついに舐め犬クンにこー言ったのよ
「ね、舐め犬クン、ジェル試してみない?」
「…ジェル?」
「そ、あたし持って来ているの、もちろん口にしても大丈夫なヤツよ」
そー言うとあたしは、彼の返事も待たずに、
逢瀬の三種の神器を始めとして、逢瀬の為のありとあらゆる小道具が入っている
ヴィトンのバニティーケースを置いたままの洗面台へと向かったわ
そ、加齢を重ねて、あたしのMってば、ますます気位高くなってしまったのか
余程、自分のお気に召す愛撫でないと、
若い頃のよーには、勢いとお愛想の濡れさえも致さなくなったのよ
特にそれは、巨根・アレックスとの逢瀬の時に顕著で、
だからあたしは苦肉の策で、こーして潤滑剤代わりのジェルをしのばせているの
あたしはバニティーケースから念のための2本、
個別包装のジェルのスティックを取り出すと、再びベッドルームへと戻ったわけ…
to be continued...