夫は職場でのあたしの直属の上司でもあり、2人きりの職場なのね
しかも、口さがない女友達から、
あたしが「アクアリウムの住人」だと揶揄されるよーに
あたしの自宅マンションを基軸としてまずは東方向に、
ハイヒールパンプスの徒歩７分で職場、
西方向に同じく徒歩5分で男との待ち合わせ場所が
車で東方向5分のところに、あたしが夫払いするときに行かせるパチンコ店が
車で東方向10分のところに、あたしが足繁く通うホテル街があるの
そ、自宅を基軸とした実に小－さな円の中で、
あたしの日常の生活と非日常の欲望とは背中合わせで成立しているというわけ
だから！！
あたしは仕事を終えたら自宅に戻ることなく
そのままパチンコ店へ夫が直行するよう企んで、
舐め犬クンとの待ち合わせ時刻近くまで夫と少し残業して時間を稼ぎ追い払ったわ
そーは言いながらも、ちゃーっかりと夫に車でマンションまで送って貰うと
あたしは慌てて逢瀬仕様に洋服を着替えたのだけどね
殿方喜ぶスカートはマストでしょ、
それからその日は初夏にしては季節が逆戻りしたかのよーな肌寒さだったから、
久し振りに黒の網タイツを引っ張り出して履いたりもしたのよ
特にランジェリーフェチだとも思われない舐め犬クンだったけど
これはあたしの女としてのスイッチを入れるために
黒のソング（Tバックショーツ）に履き替えたの
それから、そーそ、あたしは念のため、一旦上着を脱ぐとブラも外して
まじまじと右側の自分の乳輪辺りもチェックしたわ
それと言うのも、中年になってホルモンバランスが崩れてるせいね
油断すると、ちょーどその辺りに長ーい毛が生えるよーになってしまって
いつぞやは、それをこともあろーに、正常位で挿入中に愛人メンズに発見されてしまい
それが思いがけなくツボにはまってしまった彼は吹き出してしまって
その後、強制的に一時性交中断の憂き目に遭ったことがあったからよ
ほらほら…！！
言わんこっちゃない、あら、今度は2本も並んで仲良く生えているじゃない！
そこで、あたしは慌てて毛抜きでその乳毛を引き抜き処理したわ
おっと！
久し振りに手にする、
逢瀬の3種の神器
（M専用ソープ、アメリカ製強力マウスウォッシュ、
サテンシルクのスリップドレス）が入った、
毎度お馴染みのヴィトンのバニティーケースを忘れずにね
それから、逢瀬する相手メンズのキャラクターによって
出がけにサッと身にまとうあたしの香水も変わってくるのだけど、
例えば男性性が極めて強く、おまけに香水文化の下地もある、
黒人セフレ、アレックスの場合は
あたしも負けじと、個性の少し強い、シャネルのココマドモアゼルを
アレックスと同じ30代半ばなのに、未だにどこか初々しい少年っぽさの残る
ナイーブな舐め犬クンの場合は、たおやかな香りの、オゥパラディのフルールね
あたしは、舐め犬クンから待ち合わせ場所に到着した連絡はまだかしらと
チラリと部屋の時計を見たら、既に時刻は7時半近くなっていたわ
確か彼も、几帳面に退社後一旦帰宅すると、
制服から私服へと着替えて来る人だったかしらん？
そこで、あたしは何気にLINEを開いて舐め犬クンのトーク画面を見たら
おっと！！
既に、彼は7時に到着してるってメッセージをくれているじゃないの！
ひゃー、全然気付かないでいたわ！
んもー、舐め犬クンも舐め犬クンで、
あたしから一向に返事はおろか既読さえもつかないのなら
催促・確認の再送信ぐらいしてくれたっていいのにぃ…
ま、その何事においても控えめで無口なところが、彼らしーっちゃらしーか、笑
そこであたしは慌てて彼に返信すると、
バタバタと自宅を出て、待ち合わせ場所へと向かったのよ…
to be continued...
