何て読みづらいんだ!もう段落は気にせず句点改行の方が良いかもしれんな。
さて、案の定ネトゲという名の暇潰しはしていられないのでTWのコーナーは日記帳?と統合で。
mixiから逃げたこともあって日常の記録を綴る場所が無いですし。
でもってですね。例のネタ話をあとチン氏の半OKが出たんでブログに載せることにしました。
そもそも彼のブログでは僕の失敗接客例が許可無く赤裸々に掲載されていたのですがwwww
もしもせかいーがきょーうでおわーるのーならー♪とか考えたら気が変わったんです、安芸の人と秋の空。
CTPの方のネタにすることは未定なので相談もしていませんがね。でもあっちは名前変えようかなーなんて。
そもそも絵と声、誰がやんのよ。分岐どーすんの?って問題があるんで当分は使いません。
で、言葉を並べて遊んでただけの私が話を書くことになった経緯を少し。
ひょんなことからあとチン氏とマクドで会うことに。
僕:「何か書いてー。」持参したルーズリーフを差し出して恒例の無茶ぶりタイム。
あと:「ええー、じゃあ設定考えてよ。とりあえずタイトルは?」
僕:手元のトレイに視線を落とす。「“あしたの○○はワタシがつくる”。○○に何か入れて。」
※ご存じかとは思いますがこれ、マクドのバイト募集広告の文句です。
あと:「オカズ。」
僕:「・・・Σ・ω・(ど、どんな話やねん・・・。)」
あと:「主人公の名前は?」
僕:「あとチンで良いんじゃないの?年齢どうしよ。」
あと:「12歳で(僕が永遠の12歳とかほざいてるんで応戦したと思われる)。」
で、その「あしたのオカズはワタシがつくる」とかいうネタ話を私も書いてみようと思いまして。
設定としてはメシマズ料理クラブの話になりました。私の方は地元を舞台にしています。
・・・さすがに18禁方面にはできなかったんです、ハイ。
私は妹派なので必然的に主人公の12歳が最年長になるんですよね。これは名前以上に無理がある。
読んだら分かると思うのですが、あんなん12歳の考えることじゃありませんwwww
もう12歳とか忘れて下さいすみません。僕ごときでは逆立ちをしても12歳を書くのは無理ですwwww
あと、設定を考えるにあたって取り出した私の秘蔵リスト(?)の名前。読めないんですよね。
一章までで既出の人物だけ一覧にして紹介しておきます。
というよりも後から出てくる子達は読めるように書いているので不要なんですよね。
・紙屋あとチン(かみや あとちん)
・紙屋 霞音(かみや かのん)
・梅林 紗子(ばいりん すずね)
あとチンは別に読めるだろうけど、妹の姓を冠するとアンバランスで笑えるので。
特に紗子ちゃんなんか同字異音の声優さんが居るから“さえこ”としか読めないわな。
“梅林”を音読みしてくれるのも広島の人だけかしら。
名字に関してピンと来た方はきっと同郷なのでしょう。
正直これはお蔵入りにしようと思ってたんですけどね。
だって作家さんが同じ設定で書くんだから全くの素人の作品など恥晒しでしかないもの。
それでも楽しみにしてるとか言われるとお蔵入りにできんかった・ω・;
お蔵入りにしちゃうと延々と推敲してそうだし、区切りの意味合いも込めて腹括って不定期にぼちぼち載せます。
・・・まあ載せてもなおちょこちょこ変更する部分もあるでしょうけれども。
後半の仕上がりによってはごっそり削除してごっそり変更もあり得るのですが、あまりお気になさらず。道楽ですので。
でも楽しみにしてるとか言われると道楽でなくなr・・・げふん。
どうせ試験とか受かるわけねーと既に心折れちゃってるんで当分は執筆してるかと思います。
全日を辞めた僕には高校のお勉強なんて何も思い出せませんから・ω・;
ただ、数学路線に復帰したら速度落ちるかもしれません。
とはいえそんな長い話にするつもりは無いのである程度で終わるかと。
そもそも親が数学がり勉の日々アゲインを許すかどうかも不明ですが。当分モラトリアム人間。
mixiでメンバーを絞って公開でも良かったんですけどね。
それでもやっぱりmixiの方はしばらく何もしないつもりなんでここで。
自分のつまらん作品より本家の方がどうなるのかわくわくであります。
あっちはきっとタイトルや設定を裏切らない明るくて楽しい作品になることでしょう。
「おはよう、あとチン兄さん。」
妹の紙屋霞音は夜通し泣き続けたことなど夢だったと言わんばかりにからっとした挨拶を投げかける。 しかしその目の下の隈と空になった製氷皿だけは、昨夜の涙が現実であったことを如実に物語っていた。
「・・・おはよ。」
受け身でありたいと願う不甲斐ない自分の姿が脳裏をよぎったせいだろうか、意図せずぶっきらぼうな口調で応えてしまった。
「あれ・・・兄さんがご飯作るの?お母さんは?」
「うん、出張だって早くから出て行ったよ。フレンチトーストでいい?」
「あ・・・うん・・・。」
歯切れ悪く、ぼそりと呟いた霞音。隠しきれない表情の翳りも見慣れたものだ。一見すれば不服の意ともとれるその態度に初めこそ苛立たしかったものの、何度か繰り返していればそんな表情をする、させてしまう真の理由に嫌でも気付く。それから目を逸らし続けている俺は非情な兄に違いない。霞音の好物を選んだところで所詮は気休めにもならない自己満足だ。コンビニのサンドイッチでも用意できれば霞音に引け目を感じさせることもないのだろう。しかしこの辺りにはコンビニだけが無く、最寄りは隣町になる。1kmも離れていればコンビニエンスの欠片も感じられない。
「ごめん、母さんのご飯じゃなくて。」
インコンビニエンスストアへの八つ当たりを止めてそれだけ口にすると、そそくさとフレンチトーストを作り始めるのだった。
霞音はトーストを黙々と口に運ぶばかりで、互いに沈黙したまま朝食を終えた。登校の為に迎えに来た霞音の友人達もいつもと違う様子に戸惑っており、俺は案の定理由を問われた。しかし思索することを拒んでいる件を前にして適当な言葉など見つかるはずもなく。
「分からないや、ごめん。」
こうして逃げの一手を打つ度にちくりと痛む心。しかし逃避と傷を重ねること以外に何ができよう。
俺たちの通う中の棚小学校は10分も歩けばたどり着く距離にある。霞音より遅れること5分。俺は同じ道程を悪戯マシンガンと悪名高いクラスメイト、梅林紗子と歩いていた。
「あとチン、今日テンション低すぎ。移りそうじゃけえ近寄らんでや。」
紗子はそう言い捨ててそっぽを向いたが、歩みを速めることなく不機嫌そうに隣を歩いている。自ら行動を起こすなんてらしくもない。何だかんだと文句を言いつつも一緒に登校してくれる紗子に気を楽にしたのだろうか。
「あのさ。料理クラブの部長だったよね、紗子ちゃんって・・・。」
俺は昨夜の霞音の嗚咽や先程のやりとりを思い浮かべながら、気が付けばそんなことを呟いていた。
「・・・そうじゃけど?」
他人について掘り下げて知ろうとせず、また同じく自分についても語ろうとしない俺の発したその言葉に意表を突かれたのだろう。少しの間を経て、訝しがるような声色で返される。
「どうしたん急に。今日のあとチン、やっぱ何かちょっと変じゃね。」
指摘を受けてはたと我に返る。何でもないから忘れてくれ、と紗子に言ったところで素直に聞き入れるはずもないだろう。
「・・・。妹・・・、ってさ。ああ見えて料理できないんだよね。火が・・・ね、見るのも駄目、なんだ。口にこそ出さない。
けど・・・多分ね、それ気にしてると思う。昨日も、ほらさ。5年生って野活から帰って来る日だったよね。閉じこもっちゃって・・・泣いてたんだわ、帰るなり・・・夜通し・・・。ほら、俺らも野活でやったじゃない、キャンプファイヤー。やっぱりそれが原因、だと・・・思うんだ。」
居心地の悪さのようなものを噛み砕きながらゆっくりと打ち明ける。
「で、まさか、霞音に料理教えてほしい、とか?うちね、料理できないんよ?実は・・・ね。」
意外にも紗子の短気な癖はなりを潜め、多めの読点を含んで同じくゆっくりと返してくる。しかし耳にした言葉はあまりに思いがけないものだった。
「・・・え、1年間料理やってきたんじゃないの?」
うちの学校では高学年に進級すると任意で放課後にクラブ活動をすることができる。俺にはゲームの時間が何にも代え難い程に大切なので、未だ何処にも所属していない。しかし5年生から料理クラブに所属している紗子は1年間、何かしら料理をしているはずである。高学年の集いともなれば顧問は児童の自主性に任せたがるものだ。結果放任がちになっているその現状について、決して耳にしていないわけではないが。
「そうなんじゃけどさ、実は料理できるようになりたい人だらけの集まりだったんよね。皆役に立たないのなんのって。何を作っても物体Xに殺人料理、うちらは殺人シェフでも暗殺部隊でもないっつーの。あ、毒物として通販しちゃろーか、儲かるかもしれんねえ?」
あっけらかんとした様子でそう宣う紗子。俺はスーパーで売っているありふれた食材が未知の物体に変化する過程を思い描こうと尽力したが、やはり皆目見当もつかなかった。
「本を読んで作れば最低限食べられる物は作れると思うんだけど。」
さもなくばレシピ本は意味を失くしてしまうだろう。逸脱した思考を戻し、諦めて当たり前の一言で返す。美味しいものを作ることは難しい。しかしレシピに忠実でさえあれば間違いなど塩と砂糖をうっかり取り違える程度である、と信じていたことが間違いだったのか。そもそも我が家の砂糖は三温糖なのでそんな間違いも起こり得ないのだが。
「やかましいねえ、ちゃんと読んどるわ。あれめっちゃややこしいんじゃけえしょうがないじゃろ。できんもんはできんのよねっ!教えてはあげられんけどたちまち今日の放課後、調理室に来んさい。むしろ教えてーや、料理。」
開き直りにも似た台詞。たまに見られるこの女子らしからぬ言葉遣い、そして強引なところは最早紗子の紗子たる所以とも言えるのだろう。
「あ・・・うん。分かった。」
飛脚のようなその勢いと何らかの解決の糸口を求める気持ちと。俺は戸惑い半分ではあれども了承の意を伝えた。
妹の紙屋霞音は夜通し泣き続けたことなど夢だったと言わんばかりにからっとした挨拶を投げかける。 しかしその目の下の隈と空になった製氷皿だけは、昨夜の涙が現実であったことを如実に物語っていた。
「・・・おはよ。」
受け身でありたいと願う不甲斐ない自分の姿が脳裏をよぎったせいだろうか、意図せずぶっきらぼうな口調で応えてしまった。
「あれ・・・兄さんがご飯作るの?お母さんは?」
「うん、出張だって早くから出て行ったよ。フレンチトーストでいい?」
「あ・・・うん・・・。」
歯切れ悪く、ぼそりと呟いた霞音。隠しきれない表情の翳りも見慣れたものだ。一見すれば不服の意ともとれるその態度に初めこそ苛立たしかったものの、何度か繰り返していればそんな表情をする、させてしまう真の理由に嫌でも気付く。それから目を逸らし続けている俺は非情な兄に違いない。霞音の好物を選んだところで所詮は気休めにもならない自己満足だ。コンビニのサンドイッチでも用意できれば霞音に引け目を感じさせることもないのだろう。しかしこの辺りにはコンビニだけが無く、最寄りは隣町になる。1kmも離れていればコンビニエンスの欠片も感じられない。
「ごめん、母さんのご飯じゃなくて。」
インコンビニエンスストアへの八つ当たりを止めてそれだけ口にすると、そそくさとフレンチトーストを作り始めるのだった。
霞音はトーストを黙々と口に運ぶばかりで、互いに沈黙したまま朝食を終えた。登校の為に迎えに来た霞音の友人達もいつもと違う様子に戸惑っており、俺は案の定理由を問われた。しかし思索することを拒んでいる件を前にして適当な言葉など見つかるはずもなく。
「分からないや、ごめん。」
こうして逃げの一手を打つ度にちくりと痛む心。しかし逃避と傷を重ねること以外に何ができよう。
俺たちの通う中の棚小学校は10分も歩けばたどり着く距離にある。霞音より遅れること5分。俺は同じ道程を悪戯マシンガンと悪名高いクラスメイト、梅林紗子と歩いていた。
「あとチン、今日テンション低すぎ。移りそうじゃけえ近寄らんでや。」
紗子はそう言い捨ててそっぽを向いたが、歩みを速めることなく不機嫌そうに隣を歩いている。自ら行動を起こすなんてらしくもない。何だかんだと文句を言いつつも一緒に登校してくれる紗子に気を楽にしたのだろうか。
「あのさ。料理クラブの部長だったよね、紗子ちゃんって・・・。」
俺は昨夜の霞音の嗚咽や先程のやりとりを思い浮かべながら、気が付けばそんなことを呟いていた。
「・・・そうじゃけど?」
他人について掘り下げて知ろうとせず、また同じく自分についても語ろうとしない俺の発したその言葉に意表を突かれたのだろう。少しの間を経て、訝しがるような声色で返される。
「どうしたん急に。今日のあとチン、やっぱ何かちょっと変じゃね。」
指摘を受けてはたと我に返る。何でもないから忘れてくれ、と紗子に言ったところで素直に聞き入れるはずもないだろう。
「・・・。妹・・・、ってさ。ああ見えて料理できないんだよね。火が・・・ね、見るのも駄目、なんだ。口にこそ出さない。
けど・・・多分ね、それ気にしてると思う。昨日も、ほらさ。5年生って野活から帰って来る日だったよね。閉じこもっちゃって・・・泣いてたんだわ、帰るなり・・・夜通し・・・。ほら、俺らも野活でやったじゃない、キャンプファイヤー。やっぱりそれが原因、だと・・・思うんだ。」
居心地の悪さのようなものを噛み砕きながらゆっくりと打ち明ける。
「で、まさか、霞音に料理教えてほしい、とか?うちね、料理できないんよ?実は・・・ね。」
意外にも紗子の短気な癖はなりを潜め、多めの読点を含んで同じくゆっくりと返してくる。しかし耳にした言葉はあまりに思いがけないものだった。
「・・・え、1年間料理やってきたんじゃないの?」
うちの学校では高学年に進級すると任意で放課後にクラブ活動をすることができる。俺にはゲームの時間が何にも代え難い程に大切なので、未だ何処にも所属していない。しかし5年生から料理クラブに所属している紗子は1年間、何かしら料理をしているはずである。高学年の集いともなれば顧問は児童の自主性に任せたがるものだ。結果放任がちになっているその現状について、決して耳にしていないわけではないが。
「そうなんじゃけどさ、実は料理できるようになりたい人だらけの集まりだったんよね。皆役に立たないのなんのって。何を作っても物体Xに殺人料理、うちらは殺人シェフでも暗殺部隊でもないっつーの。あ、毒物として通販しちゃろーか、儲かるかもしれんねえ?」
あっけらかんとした様子でそう宣う紗子。俺はスーパーで売っているありふれた食材が未知の物体に変化する過程を思い描こうと尽力したが、やはり皆目見当もつかなかった。
「本を読んで作れば最低限食べられる物は作れると思うんだけど。」
さもなくばレシピ本は意味を失くしてしまうだろう。逸脱した思考を戻し、諦めて当たり前の一言で返す。美味しいものを作ることは難しい。しかしレシピに忠実でさえあれば間違いなど塩と砂糖をうっかり取り違える程度である、と信じていたことが間違いだったのか。そもそも我が家の砂糖は三温糖なのでそんな間違いも起こり得ないのだが。
「やかましいねえ、ちゃんと読んどるわ。あれめっちゃややこしいんじゃけえしょうがないじゃろ。できんもんはできんのよねっ!教えてはあげられんけどたちまち今日の放課後、調理室に来んさい。むしろ教えてーや、料理。」
開き直りにも似た台詞。たまに見られるこの女子らしからぬ言葉遣い、そして強引なところは最早紗子の紗子たる所以とも言えるのだろう。
「あ・・・うん。分かった。」
飛脚のようなその勢いと何らかの解決の糸口を求める気持ちと。俺は戸惑い半分ではあれども了承の意を伝えた。
壁の向こうからすすり泣く声がしている。妹の部屋だ。聞こえてくる嗚咽に耳を澄ませる。
「・・・じゃ・・・っ・・・ぃさ・・・の・・・なれな・・・っ・・・ぐすっ。」
俺の妹は些細なことでもよく涙を流す子ども、いわゆる泣き虫だった。その都度俺の背中をぐっしょりと濡らしていたことはよく覚えている。
あの日を境に妹は変わったように見えた。忙しい両親に代わって時折簡単な食事を作っていた俺の為に、妹が内緒で初めて食事を用意しようとして小火騒ぎとなってしまったあの日。
「ごめんなさい、ごめんなさい、勝手なことをして・・・。お兄ちゃん・・・。」
幾度も俺の背中に懺悔する妹。
「大丈夫だから。」「無事で良かった。」「俺なんかの為に、有り難う。」
掛けてやる言葉はいくらでもあったはずなのに。妹の懺悔が木霊するばかりで俺は、情けないことに何も言葉が出なかった。職場に連絡が行ったのだろう。慌てて帰宅したらしい両親は妹を酷く叱り、加えて料理することを禁じた。
「ここまで馬鹿だとは思わなかった。」「あんたは二度と料理なんてするんじゃない。」
悔しかっただろうか、それとも腹立たしかっただろうか。恐らくもっと複雑な感情が幼心に渦巻いていたに違いない。それからなのだ、あれ程泣き虫だった妹がクラスで一番のしっかり者だとクラスの誰もが認めるまでに変貌を遂げたのは。
俺はというと、その出来事が原因で妹に怯えてしまうようになった。正確に言えば側に居ながら危険な目に遭わせてしまった罪悪感、何も言えなかった無力感から妹にどう接して良いのか分からなくなったのだ。小学校生活も半ばに差し掛かった辺りからは男友達と遊ぶ方が気楽で居られることもあってか、妹と積極的に関わることを避けるようになった。一方の妹もそんな俺に失望したのかもしれない。以前と比べて俺に話し掛けてこなくなった。そんな妹が薄壁一枚を隔てた場所で、やっぱり泣いている。一切泣かなくなったことを不思議に感じていた俺は驚嘆することも焦燥に駆られることもない。
涙の理由、その心当たりならある。しかし俺は、行ってその涙を拭ってやれるとは思わない。それでもここに扉を叩く音が響くのを待って、その嗚咽が鳴り止むまで待って。明日は月曜日だというのに俺は、結局夜明け前まで眠ることは無かった。
「・・・じゃ・・・っ・・・ぃさ・・・の・・・なれな・・・っ・・・ぐすっ。」
俺の妹は些細なことでもよく涙を流す子ども、いわゆる泣き虫だった。その都度俺の背中をぐっしょりと濡らしていたことはよく覚えている。
あの日を境に妹は変わったように見えた。忙しい両親に代わって時折簡単な食事を作っていた俺の為に、妹が内緒で初めて食事を用意しようとして小火騒ぎとなってしまったあの日。
「ごめんなさい、ごめんなさい、勝手なことをして・・・。お兄ちゃん・・・。」
幾度も俺の背中に懺悔する妹。
「大丈夫だから。」「無事で良かった。」「俺なんかの為に、有り難う。」
掛けてやる言葉はいくらでもあったはずなのに。妹の懺悔が木霊するばかりで俺は、情けないことに何も言葉が出なかった。職場に連絡が行ったのだろう。慌てて帰宅したらしい両親は妹を酷く叱り、加えて料理することを禁じた。
「ここまで馬鹿だとは思わなかった。」「あんたは二度と料理なんてするんじゃない。」
悔しかっただろうか、それとも腹立たしかっただろうか。恐らくもっと複雑な感情が幼心に渦巻いていたに違いない。それからなのだ、あれ程泣き虫だった妹がクラスで一番のしっかり者だとクラスの誰もが認めるまでに変貌を遂げたのは。
俺はというと、その出来事が原因で妹に怯えてしまうようになった。正確に言えば側に居ながら危険な目に遭わせてしまった罪悪感、何も言えなかった無力感から妹にどう接して良いのか分からなくなったのだ。小学校生活も半ばに差し掛かった辺りからは男友達と遊ぶ方が気楽で居られることもあってか、妹と積極的に関わることを避けるようになった。一方の妹もそんな俺に失望したのかもしれない。以前と比べて俺に話し掛けてこなくなった。そんな妹が薄壁一枚を隔てた場所で、やっぱり泣いている。一切泣かなくなったことを不思議に感じていた俺は驚嘆することも焦燥に駆られることもない。
涙の理由、その心当たりならある。しかし俺は、行ってその涙を拭ってやれるとは思わない。それでもここに扉を叩く音が響くのを待って、その嗚咽が鳴り止むまで待って。明日は月曜日だというのに俺は、結局夜明け前まで眠ることは無かった。
いつものように横たわる。
僕は眺めていた、流星のように一瞬で消えていくあの娘を。
それは青空に映え、夕陽に翳ることなく、やがて闇に消える、あの日見た夢の具現。
いつものように祈る。
邪な祈りなど広大な空を前にして音にすらならないのだけれど。
「どうかあの娘の視線が下を向きますように」なんて。
この左翼は誰にも見えない。
僕について誰かは言った。
「塵芥よりも軽薄なものだ」と。
僕らについて誰かは言った。
「大きくなったら空にあって、景色を作るのだ」と。
ある日には胸を躍らせるような期待。
ある日には胸が潰れるような不安。
その日には胸を張り裂かれるような現実。
あの娘が地上に目を向けないと言うのなら、いつか撃ち落とすだろうか。
僕で傷だらけになった姿に再び満足するのだろうか。
どうして、どうして。
隣でぐったり、べっとりと血を流していた者。
僕はいつも撫でて遊んでいた。
傷が癒え、感謝と謝罪を残して 夜も明けぬうちに空へ。
嬉しくてたまらないのだろう。
その姿は誰よりも高い場所にあって、僕の瞳には映らなくなった。
あの娘がその羽を僕の隣で休めてくれる奇跡の選択に出会えるのなら。
たった一言、素直にお願いするんだ。
「ねえ、抱っこして」
僕は眺めていた、流星のように一瞬で消えていくあの娘を。
それは青空に映え、夕陽に翳ることなく、やがて闇に消える、あの日見た夢の具現。
いつものように祈る。
邪な祈りなど広大な空を前にして音にすらならないのだけれど。
「どうかあの娘の視線が下を向きますように」なんて。
この左翼は誰にも見えない。
僕について誰かは言った。
「塵芥よりも軽薄なものだ」と。
僕らについて誰かは言った。
「大きくなったら空にあって、景色を作るのだ」と。
ある日には胸を躍らせるような期待。
ある日には胸が潰れるような不安。
その日には胸を張り裂かれるような現実。
あの娘が地上に目を向けないと言うのなら、いつか撃ち落とすだろうか。
僕で傷だらけになった姿に再び満足するのだろうか。
どうして、どうして。
隣でぐったり、べっとりと血を流していた者。
僕はいつも撫でて遊んでいた。
傷が癒え、感謝と謝罪を残して 夜も明けぬうちに空へ。
嬉しくてたまらないのだろう。
その姿は誰よりも高い場所にあって、僕の瞳には映らなくなった。
あの娘がその羽を僕の隣で休めてくれる奇跡の選択に出会えるのなら。
たった一言、素直にお願いするんだ。
「ねえ、抱っこして」
