兵庫県議の件。 | 木田たかしオフィシャルブログ Powered by Ameba

木田たかしオフィシャルブログ Powered by Ameba

木田たかしオフィシャルブログ Powered by Ameba

このところ色々な視点から話題になっている兵庫県議の政務活動費不正使用疑惑について・・・。


私自身が議員を経験したことのある立場として、高い志をもって立候補されて議員となった件の議員は、視察等によって得られた知識や経験を如何なる“かたち”にせよ有権者に還元されることが前提であることを理解されているのか疑わしい発言をされ、且つ、この問題を「議員という大きな括りの中では、極々小さいものなんです。」と言い切ってしまう議員という立場に対する見識のなさが口を突いて出てきてしまう素姓の脆さを見せつけられ、私自身なぜか居た堪れない思いが募るとともに、自らが在職中に同僚議員や議会の事務方に対して訴えてきたことが実現できていなかった事が、悔やまれてなりませんでした。


というのも、私が籍を置いていたいわき市議会でも今は名称が変わっていますが、当時、政務調査費といわれていた政務活動に関わる経費の補助があったのですが、いわき市議会では、会派ごとへの交付という事で個人的な使用は認められていませんでした。

個人的なというのは、当然のことながら私的なということではなく、あくまで政務活動に要する経費の支出であることが前提となるものであり、会派が行う活動に対するもの(会派として認められたもの)であって、個別の対応がしにくいという点においては、自由度はかなり制限されていたと思われますが、それをもっと個々の議員のニーズに合わせた使い方が出来るようにすべきであるという意見を上げたところ、使うのは個人、管理は会派、というような整理をすべきという意見が出されました。

どういう事かといえば、今の問題の核心にある収支報告書の作成は、それに添付すべき領収証や実績報告書の類は言うに及ばず、諸々、気遣いと手間の掛る作業であり、そこは個人の責任でなく、会派(グループ)の責任でやってもらいたい、という先輩議員からの発言でした。

ことほど左様こにその煩雑さというのは否定しえないところですが、これこそ正に公金を使わせて頂く立場としてその透明性の確保の観点からなされるべき手続きといったところなのではないかと考えていました。現に在職中、議員報酬からの支出で視察や研修に参加した事が幾度かありましたが、政務調査費からの支出についての議会・会派としての制約の中では吸収しきれない範囲で勉強する必要に迫られ、結果して、その研修などの成果として議会での質問や提言につながり、かたちになって今日の市民の皆さんにとって有用なところものとして認知して頂いているものも多数あることも、また、事実です。

そういった、起承転結のない “使いっぱなし”の使用は、厳に慎むべきであることは当然、となれば、どのような目的、意図をもって使用したのかの説明責任は、おのずと議員に無条件に発生するものであると考えます。

また、そのような視点に立てば、その視察・研修で得られた情報やその内容は、議員ひとりのものではなく、市民の皆さまにも有用なものとなり得るのと思いから市民の皆さまと共有すべきものであるとの考で、いわゆる情報公開条例の枠の外に置いて、いつでも誰でもアクセスできる状態にしておくことが、調査費の使用に関する透明性の確保という観点からだけでなく、情報の共有という観点からも、大変有意義なことであると考えていました。

この点については、在職中にも声を上げ、その実現を模索していたところですが、図らずもその場を離れる事となってしまい、その実現は叶いませんでした。


いずれ氏が言うような小さな問題ではなく、また、大人として折り合いをつけられるような事柄でもない事を理解せず、議員として常に心掛けておくべき点が欠落している発言に終始し、答えるべき事に答えていない記者会見は無駄以外の何物でもなく、このような事態を招いた氏の責任は氏を議員として当選させた有権者だけでなく、他の市町村や県議会に籍をおく議員に対する責任も重大で、のこのところの一部報道やバラエティの関係タレントが発する笑いを生じせしめるような案件ではないという事を氏自らが自覚され、選良としての行動をとられることを心から願っています。