「よいかの、法度が先か徳が先か……、これをしっかりと腹にいれておか なんだら、臆病さを威信で飾る残酷者になりさがる。<中略>よいか、徳はのう、わが身をつねって他人の痛さを知る人情に発するものじゃ。その人情をよく噛みくだいた生き方が徳になる。その徳が最初であって、法はいわばみんなの納得しあう申し合わせ……ということじゃ」(山岡壮八「徳川家康」より)
企業のコンプライアンスや、CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)がかまびすしいのは、いってみれば、企業(株主、経営者、従業員)に、「徳」がなくなった、ということか。
杓子定規にルールを守るだけに汲々とし、守れて安心しているオトナからは、徳に満ちた子供は育たないだろう。