きだみのる鍼灸整骨院のブログ

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■ダンサー・格闘技選手・高齢者の治療
■痛まない・再発しない身体の使い方
■伝統鍼灸・体質改善
■体操・ダンサー指導Youtubeチャンネル『きだみのる』

秋葉原と上野の間、御徒町にある治療院、
きだみのる鍼灸整骨院のブログです。

東洋医学の体質別の治療と食事・運動指導
高齢者の動きの改善に力を入れています。

また、ダンサーや格闘技選手から主婦の方まで、
痛みの再発予防のための【体の使い方】を指導しています。
どうぞよろしくお願いします

マラソンやトライアスロン等の
長距離走やその他のスポーツでも、
心肺機能・筋力などのシンプルな基礎体力から
効率のいい『身体の使い方』が注目される様になりました。

中でも日本人特有と言われる
『ナンバ歩き・走り』について
そのやり方と解説動画などをたくさん見かけます。

確かに省エネで効率の良い身体操作で、
欧米人に比べ、体格や基礎身体能力に劣る

日本人にとっては

とても好都合な技法であり、
それを学ぼうとするアスリートも増えてきました。

しかし、現状で紹介されている
ナンバ等の古武術的身体操作が
ナンバの動作のみや

古武術の型や演武等の

■約束された変化のない動き

の中でのみになっている気がします。

つまり、競技格闘技や球技などの様に

■予想外の変化(力・速度・角度)
■第三者からの外力
(格闘技における相手からの攻撃・球技における体当たり)


の要素がない中での紹介がほとんどで

それらの要素がある状況でどう応用するのか?
の検証がまだまだ不充分と感じます。

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■ナンバのポイント
1,左右の半身を同調させる
2,体幹の捻じりを使わない様に動く
3,腕の振りが少ない
4,全体の上下動が少ない
5,着地の衝撃が少ない・極端な踵着地にならない


などから超省エネ歩行・走行になり
江戸時代の飛脚が1日に200kmも走り、
江戸から京都間を3~4日で走った
と言われています。

某中学・高校のバスケットボール部が
このナンバ走法の身体の使い方を取り入れて
快挙を成し遂げた話が有名ですが、
その後ナンバ等の武術的体操の指導に注力した結果、
全体の平均力が下がったり、
逆に下手になってしまった選手も少なくなかったらしいのです。

 


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ナンバ操作の使用条件として

■体幹は固めるよりゆるめる方がいい

と言う説があります。

確かに上記の
1~5のナンバのポイントを可能にするためには
体幹部が固まっていては
『上半身と下半身の連動』を阻害します。


しかし、それが良しとされるのも
『運動ジャンル』にもよるかな?
と私は考えています。


ナンバ操作は

1、走行の様に左右対称性の動きを反復する
2、重量物を使用せず一方向に振り切る(バッティング等)


には最適かなと感じます。


ナンバ操作のみでは無理であろう動きは
上段にも記しました、

■予想外の変化(力・速度・角度)
■第三者からの外力
(格闘技における相手からの攻撃・球技における体当たり)


の2点がある競技です。

 

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ナンバ操作の特徴として

■身体の捻じり運動をしない=効率の悪い往復運動を減らす

と言う事がありますが、
武術的に考えてみても

■太刀や槍などの武器を扱う事
■戦場などで多数が入り乱れている状況


などでは、ほんのわずかであっても、
必ず『往復運動=捻じり運動』
が起こる瞬間があると考えています。


身体操作が上手ければ、
ほとんど自覚されないほどの
往復運動・捻じり運動となるでしょう。

その際に必要なのが、体幹を主とした
一瞬の『全身の固定力』です。

これがないと連続して変化する動きに対応するのは、難しいのではないかと。

 

 


昔の刀や槍、鉄製のそれなりの

重量のある物を振り回す場合、
効率の良い身体操作でも、

方向の切り替えや大きな回避動作などで
位置・方向を変える時に限っては
一瞬の『固定力』を使わざるを得ないと考えます。

ゆるむ事・脱力する事ばかりがフォーカスされると、
自由な動きの中で勝敗を決する競技において
最低限必要な筋力と
その身体操作が置き去りにされ、
現状よりもパフォーマンスが低下したり、
しなくてもよい怪我をする様になるのではないか?

と考えています。

ナンバ操作的な脱力による動作、
また変化ある競技に必要な一瞬の固定力、

それらを養成するには
どの様なトレーニングが良いのかについては
またあらためて書きたいと思います。



 

 

私が考える、全ての運動ジャンルと
身体操作開発の基本動作3つです。

これらをよりイージーな形に変化させれば、
整体などの治療術やリハビリに活用できます。

その3つとは

1,アニマルフローの基本動作
2,ヨガの胎児のポーズ
3,太極拳・気功のスワイショウ

 

 


『1』はダイナミックな重心移動
アクロバット的なムーブメントの基礎

『2』は背骨を伸ばして正しい中心軸を作る

『3』は体軸の操作による全身連動




これらをより楽に行える様に
身体の軸・支点の操作を使い、
他の動きをしても
すぐに応用できる事を目指します。

これら3つの基本動作は
相互に補完し合っています。

アニマルフローは連動させる体軸が不完全だったり、
背骨のS字がしっかり伸ばせないと
力んだままやる事になり

かえってパフォーマンスを下げる事になります。
 

 



ヨガは曲げる所と伸ばす所と
きっちりした動作ですが、
大股での重心移動や片脚立ち等も

バランス能力が未熟でも
ゆっくり行うのでできてしまいます。

 

ヨガのアーサナで

静止した姿勢は綺麗でも

連続する動作(ダンスやスポーツ)

には不向きな身体となります。

太極拳は柔らかく滑らかな動作ですが、
リラックスに偏ると
背骨のS字が曲がり過ぎ、
腰や膝などを傷める事もあり、

かえって腰痛・膝痛が治りにくいなどの

状態になっている場合があります。



昔の人間は現代人より

肉体労働が多く、
たくさん歩き、

重い物を担ぎ、
しゃがんで立つ、
を繰り返していました。

これらの動作には
上記の3つの運動と同様の効果があります。

それらを常日頃やっている人たちが

ヨガや太極拳・気功を考案したのです。

 


なので、

現代人がそれだけで正しく身に付けるのは

難しいと私は考えています。

アニマルフローは現代のエクササイズですが、
動作が複雑な分、上記の3つの内、
2つの運動の要素が満たされていないケースがあると考えます。

その理由として
■一定の速度でできない
■腕・脚の力に頼ってしまう
■勢いでやってしまう

と言う現象が起こりやすいと考えるからです。

 



現代はネット動画等で、
様々なエクササイズとそのやり方が
いくらでも勉強できますが、

その分、全ての運動において
『必ず共通する原理』、また
それを知るためのエクササイズがどれかが分かりにくいです。


情報過多のデメリットでしょう。


私はご縁のある患者さんやダンサー、
格闘技などのアスリートのためと、
自分自身の健康寿命を延ばすためにも

■最低限で最大の共通原理とそのエクササイズ

をまとめあげていきたいと思います。


 

 



アスリートも一般の方も、

現代人ならではの忙しさは同じです。


少しでも時間と労力の節約に活かしていきたいです。
 



1,気を補える手とは?
2,どこをどう使えばよいのか?
3,気を補えた時の判断は?

第二回目の女性セラピストのための
東洋医学基礎・脈診基礎講座を終え、
それらの答えを明確に
言語化・実現化できました。

『気』『気を補う』等の表現では
曖昧で再現性に問題があります。

気を補える手『補の手』を考える前に
悪い例となる
『気を補えない手』とは?

■指先に力が入ってしまう
■小指側や親指側に力が偏っている
■掌の中心が浮いている 

などでは患者さんが無意識に緊張してしまいます。
それではリラックスせず眠くもなりません。

それはなぜか?

答えはテーピングの理論と同様で、
人間は〇gの力で押されたら、
無意識に同等の力で跳ね返そうとします。

なので何かが強く当たっている場合、
そこの部位に力が入ります。

全身の中で一部だけ不自然な力みがあれば、
リラックスせず気は流れません。

では『掌全体の均一な圧』で触れると
人体には何が起きるのか?


どこを押されてるか明確ではなく、
全体的にふわっと包まれる感覚が起こります。

このなんとなくふわりとした感覚が
リラックスと眠気を呼ぶのです。


相手に抵抗感を起こされず
知らない内に押されている。

これは『合気道』や『太極拳』
などの力の伝え方と同質です。



東洋医学的マッサージでよく言われるのが、
掌のツボ『労宮』を中心に手を動かす事ですが、
私としてはこれはNGです。


労宮は気の出入りするツボと言われ
『気の流れ』的には正解です。

ですが、
マッサージ等の手技療法の場合、
動きの主体はあくまで『筋肉・骨格』です。

手を触れず動かさず気を入れる
気功療法(外気功)もありますが、
それと人に触れる=力を上手に伝える
のは全くの別の技術と言う事です。

では『労宮』ではなく
どこを使うか?

それは太極拳と全く同じで、
掌や肘などの軸・支点が明確に存在します。


それら『身体の使い方』
を女性セラピストたちに指導すると、
その場で皆さんがお互いに効果の違いを実感し、
私自身も、彼女たちの脈診の指の握り方、
腹診の手の置き方で、
全く変化するのを確認できました。

気の『補瀉』と言うものがあります。
■気を補う=補法

■気を散らす=瀉法

この使い分け、

補法と寫法の

どちらが適した体質・体調かの診断鑑別

その2点がなければ東洋医学とは言えません。

 

誰にでも同じ手順で同じやり方では

具合が悪くなる人も出てくるのは当然です。

私の目指す東洋医学講座は、手技療法などで
人に触れるための『使える東洋医学』です。

なので理論は徐々に慣れればよく、
すぐ実践に入る事でケーススタディの中で
『なるほど』を増やしていく事です。

キーワードは『気』の前に『身体の使い方』です。

脈診も腹診もマッサージも身体を使うもの。
身体の使い方次第で効果が全く変わります。

■気を補うつもりが気を散らしている
■リラックスさせるつもりが緊張させてしまっている


ほとんどそういう事に気付いてないケースが多く、
そこを明確に言葉で伝え、
身体の使い方でその場で感覚を得てもらいます。

自分の感覚に無いものを出す事は不可能です。

触り方ができてないと相手が

・くすぐったい
・痛い
・苦しい
・力が入ってしまう


等の反応が起きてしまいます。

それはもう完全に施術者のせいです。
上手く触れば施術者も相手も楽なのです。

また上手く触れる事で、
『筋膜』や『リンパ』などの
特定の部位や組織など意識せず自由に施術できます。


表皮~骨格まで
どの深さまで圧を加えるかが自由になります。

気を補える『補の手』なら
骨格まで重い圧をかけても、
相手に抵抗感が起きにくいのです。

目標は実践で使える理論と感覚を確かに伝える事。

来月早々、第三回目の講座を迎えます。

私の理論や指導法、伝え方などが
一気に明確になった
今回の東洋医学・脈診基礎講座に感謝です。


~きだみのる鍼灸整骨院~
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