これからの医療を訪ねる

新板橋クリニック探訪(Dr’sファイル掲載より)

第21回:

真の健康とは症状が現れる仕組みを理解し、「リセット」すること


Q : どうしてリセットが必要なのでしょう?

▲診察では、コップの水が溢れる前にリセットをする練習を行う

A: 
大勢の前で何かを発表するときに、誰しも緊張で手が震える、お腹が痛くなるといった経験をしたことがあるでしょう。この緊張というのは「失敗したらどうしよう」などの不安な気持ちからくるもの。つまり感情があるから緊張するんですね。人間をコップに例えると、緊張・感情という水がコップの中で常に増えたり減ったりしています。そして、水がこぼれたら体や心に症状が現れるという仕組みです。最初は水がこぼれたときにスイッチが入り、1ヵ所に症状が出るのですが、この仕組みには、徐々にスイッチが入りやすくなる、症状の出る場所が増えてくるという癖があります。初めは胃痛だけだったのが、お腹や背中も痛くなる、不眠になるなど、症状が現れる頻度や場所が増え、症状が進行すると、だんだんスイッチが切れにくくなってしまう。このような単純だけれど厄介な仕組みを、すべての人が持っています。でも仕組みがあるということは、練習できるということ。コップの仕組みを理解し、上手に使う練習(リセットの練習)をすれば、今起きている体や心の症状は消えるのです。