これからの医療を訪ねる

新板橋クリニック探訪(Dr’sファイル掲載より)

第15回:

Q: 過敏性腸症候群とは?

▲症状が出るのは、身体からの危険信号だ

A:

小腸や大腸の運動および分泌機能の異常で起こる病気の総称。精密検査をしても、炎症や潰瘍など目に見える異常が認められないにもかかわらず、下痢や便秘、ガス過多による下腹部の張りなどの症状が起こります。症状は主に便通の異常で、症状の現れ方によって「不安定型」「慢性下痢型」「分泌型」「ガス型」の4つに分類できます。「不安定型」は腹痛または腹部の違和感があり、下痢と便秘が複数日間隔で交互に現れるもの。「慢性下痢型」はストレスや不安を感じると腸管運動が亢進し、腹痛と下痢が起こります。「分泌型」は強い腹痛の後、大量の粘液が排泄され、「ガス型」はストレスや不安などでおなかにガスがたまる症状。しかし、これらの症状は、根本的な原因から生じる体の反応にすぎません。その根本は上2つの疾患と同じく、“脳の癖”。過去のトラウマなどで、一つの価値観や基準が固定化、つまり“脳の癖”ができあがり、それによって不安や緊張などの強い感情が誘起され、体の反応が起こっているという仕組みです。