町のお医者さん

(1)板橋で開業されたのはどうしてでしょうか?

もう22年になります。大学を卒業してから板橋に住み始めました。人生の半分以上を板橋で過ごしています。第2の故郷です。義父が帝京大学病院に勤務していて、定年と同時に開業することとなりました。そこで、義父と一緒に開業して、地域医療に少しでも貢献できるように思いました。そこで、すみなれた板橋、義父の住まいも板橋、そこで開業するところもご縁のある板橋で決めました。

(2)開業当時と比べると町に変化はありましたか?

開業して8年になります。新世代型高層マンションが増えてきました。と同時に、古くからなじみのあったお店が、一件また一件と閉店していきます。板橋という歴史のある町、そして商店街としての活気の変化、そして、新しい町作りの変化を感じています。そして、確実に高齢者が増えてきています。

(3)町のお医者さんの役割とはなんでしょうか?

安心できる「場」「地域」を創り出すことが、町のお医者さんの役割です。あそこにあの医院、クリニックがあるから、あの先生がいるから、そばにあるから大丈夫、なにかあったら、家にきてくれるから安心よね、と思ってもらえる町のお医者さんのあり方、それが、町のお医者さんの理想のあり方・役割です。

Just be there. そばにあるよ。そばにいるよ。そんな場を創っていくのが医療のあり方だと思います。

(4)在宅医療・介護などに取り組まれていますか?

主として、がん患者さんの在宅医療に取り組んでいます。生きることの意味・目的・価値、そして死という、生の限界と向き合う患者さん、そして支えよう、支えたいと願う家族の方たち、患者さんと家族のそばに寄り添う医療の場。そんな在宅医療を多職種連携で取り組んでいます。

(5)院内で気をつけていらっしゃることはありますか?
来てくださる方たちが安心するクリニックであるために、ひとりひとりの職員がどのようなあり方であるべきか。それがテーマです。環境整備はもちろんのことです。そして、職員ひとりひとり、そしてクリニックのことを、来てくださった方が、安心できる場所、自分のことを助けてくれる場所、わかってくれる場所、理解してくれる場所、よくしてくれる場所と思ってもらえるよう努力しています。職員ひとりひとりが心に常にもっている5つの誓いがあります。
それは、
「口」は、人を励ます言葉や感謝の言葉を言うために使おう
「耳」は、人の言葉を最後まで聴いてあげるために使おう
「目」は、人のよいところを観るために使おう
「手足」は人を助けるために使おう
「心」は人の痛みがわかるために使おう

(6)患者さんにひとことお願いいたします
1日がおわったら、自分自身をいたわり、感謝して、声をかけてあげてください。なぜなら、自分を本当に観てあげられるのは自分自身だからです。
「安心ですよ」
「よくがんばったね」
「どうもありがとう」
「愛してます」

(7)健康のために取り入れていることがありますか?
もうおこらない
発酵食を食する
心身をリセットする
子供と野球をする
水泳する