閑話休題 「世界は誰かの仕事でできている」 | 婦人科備忘録

婦人科備忘録

ある婦人科医の独り言です

ネタ提供ウェルカムですが
最近ご質問内容が
すでに記事になっていることが多くなってきました。
お手数ですが、まずはブログ内をご検索ください。

先日の台風で

あまりにもオットが

今回はやばいかもしれん・・・と脅してきたため

気持ちが乗らないまでも

手術の前日であるがゆえ

病院に泊まり込んだのであるが

泊まったその夜

台風は早々に980hPaをたたき出し、

え、普通の低気圧になっちゃった?的様相を呈した。

 

・・・殺。

うちのオットは

気象予報士の試験を受けよっかなー

と、言い出すくらいお天気おじさんなので

うっかり信じちゃったじゃないか。

まあ仮眠室の寝心地も別に悪くなかったので

特別に赦してやることにする。

うむ。あたしってやさし~い

 

ところでところで

通常、ワタクシめ、

病院には朝7時半くらいに到着しています。

で、婦人科の診察室の電気をつけ

内診台をセットアップし

電子カルテを起動

エアコンをつけてまわり

その日のカルテに目を通してからのち

病棟に上がってまだ寝ているマダムを起こしちらし(迷惑)

無理矢理

「大丈夫です痛くないですなんともないです」

を搾取してから

ブログに取り掛かっておりますが

 

掃除のおばちゃんたちが

ちょー――――――――早いの。

なんか早く来てんなあとは前から思っていて

当直の翌日、まだ化粧もしてないのに

医局の電気を全部点けられちゃって

慌てたこともあるんですが

泊まり込みの翌朝、洗面所で歯を磨いていたら

おばちゃんがお掃除にみえたので

思い切って

「いつも早いですね、何時からご勤務なんですか」

とお尋ねしてみたの。

おばちゃん「7時からですよ」

わし「え・・・今6時・・・」

おばちゃん「ちょっと早く来ないと

全部終わらないからですねえ(苦笑)」

 

聞いたか皆の者!

 

これが高度経済成長を下支えし

戦後の焼け野原から復興を果たした

アジアの奇跡そのものであるぞ!

頭がたかーーーーーーーい、控えよ!控えよ!

与えられた任務を全うするべく

己を律し、決してその努力を悟らせず

それが当然とわきまえる、その美しさよ・・・・

 

ふるえる・・・

 

働き方改革からこの方、

プロの仕事が減ったな~と感じていたので

ちょっと時代を逆行しつつも

おばちゃんの真心に触れ、

襟を正す思いがいたしました。

 

病院に泊まったくらい文句言うんじゃねえ

一回も呼び出し急患もない当直なんて

 

当直じゃねえ!

ただの熟睡。

 

誇り一つ落ちていないピカピカの廊下も

髪の毛一本落ちてないトイレも

みんなみんなおばちゃんの血と汗と涙でできておる。

 

そう

「世界は誰かの仕事でできている」

あー

お泊り明けの胃に沁みる~~~~~ぅ

 

 

 

おばちゃんの献身と真心に。

ナマステ。