ネタ提供ありがとうございます。
婦人科は長い休みの時期がかき入れ時。
なぜなら動いても動いても動き足りないお子たちを
実家なり田舎なりに預け、
野原に放牧することができ、
忙しいマダムにつかの間の自由をもたらすからである。
まいどありー
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Q.
子宮全摘予定の52歳です。
10年以上前から過多月経で
だましだましやってきました。
粘膜下筋腫2.5センチが原因らしく、
ついに全摘することにして
レルミナ服用を開始しました。
飲んで2週間で、大出血を起こしました。ぎゃー
A.
おつー
粘膜下筋腫の人は
何をしてもぴたっとは止まりません。
止まりませんが、
トータルの出血量は少なくなると信じて
手術まで鉄剤飲みつつ(飲めれば)
頑張って飲み続けましょう。健闘を祈る。
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このブログのどっかにも書いたが
レルミナは正式に言うと
GnRH(性腺刺激ホルモン遊離ホルモン)アンタゴニスト、である。
名前はどうでもいいんだが
かわいそうだから覚えてやるとして
視床下部から下垂体へ
下垂体から卵巣へ
命令を伝えるホルモン経路のうち
視床下部から下垂体にある受容体にくっついて
ブロックしちゃうお薬であると
理解していただければそれでいい。
聡い人は気が付いたと思うが
卵巣ホルモンが出なくなるだけで
別に直接「出血を止めますよ」
言うてるのではありません。
詐欺みたいだがほんとの話。
風が吹けば桶屋が儲かる的道筋で
①レルミナを飲む
②卵巣ホルモンが2~3日で更年期レベルまで下がる
③生理の周期が止まる
④子宮内膜が薄くなる
⑤子宮の筋層が縮んでくる
⑥子宮筋腫が縮んでくる
・・・とまあ、こんな感じで進んでくる。
ところが
粘膜下筋腫があるということは
子宮の内腔面に固い筋腫が
顔を出しているということにも言い換えられる。
恐ろしいことに、④、⑤の作用で
筋腫を栄養している血管も
むき出しになる可能性をも秘めているのである。
ここでマダムが
術前に体力つけなくちゃとばかりに
いそいそとジョギングなんてしてみろ
ただでさえ繊細な筋腫の栄養血管を揺さぶり
思わぬ大出血に繋がる。
つまり、レルミナを飲むだけではなく
この夏のバーゲンや
川下りのような激しいアトラクションには参加せず
エアコンの効いたお部屋で
限りなく落ち着いた生活をしてください。
・・・と、言わざるを得ない。
まあ、じっとしとけば出血は収まると思うYO。
知らんけど。
このレルミナが発売される前は
似たような薬には
リュープロレリンという注射薬しかなくて
これがまたその作用の特性から
注射開始後2~3週間で
死ぬほど出血させる可能性を秘め、
その威力たるや、レルミナどころではなかった。
ほんとにレルミナさまさま。
ご質問のマダムのように不運にも
大出血に見舞われる方も
いらっしゃるにはいらっしゃるが
そもそもの母数がめっちゃ減った。
マダムには申し訳ないが、
私の中では赦してるってことで。許容範囲なのYO
果報は寝て待て。
この10年の戦闘に終止符が打たれることを
心より祈念しております。合掌。
おとなしく寝ときやー