婦人科便り297 受付嬢は病院の顔 | 婦人科備忘録

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ある婦人科医の独り言です

ネタ提供ウェルカムですが
最近ご質問内容が
すでに記事になっていることが多くなってきました。
お手数ですが、まずはブログ内をご検索ください。

ネタ提供ありがとうございます。

 

うちの豆柴がこの暑さで

散歩中、だっこをせがむ。

それはそれでかわいいのであるが

心から問いたい。

 

だれのための散歩やねん。

とりあえず

あーたのうんこのためなんやけど。

・・・まあいい。かわいいは正義。すべてが是。

今朝も灼熱の暑さの中

9キロの(!)毛玉を抱えて歩いた。鍛えられるー

 

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Q.

医師からみて事務職の人とのやりとりの中で

イライラした事、「こうしてくれたらいいのに…」

や「これやってくれたら助かる!」

みたいな事ってあったりしますか?

 

A.

大ありです。

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だいたいにおいて、病院の事務方というのは病院の顔。

医者は手玉に取られているにすぎず

ここがちゃんと機能しているかどうかで

その病院の良しあしが決まる、とさえ

言っていいと個人的には思う。

 

特に受付嬢、受付婆(おっと口が)の笑顔、機転で

救われた事例も数知れず。

例えば

「せんせ、この方ちょっと顔色が悪いですぅ」とか

「せんせ、この方、ちょっと気難しいですぅ」とか

「せんせ、この方のムッシュ、全身にお絵描きありますぅ」とか

ちょっとした印象を見逃さず

とりあえずの情報提供をしてくれると大変助かる。

 

だいたいドクターは一般常識を持っておらず

大事な生きるための知恵が

すっこーんと抜けている(私だけかもしれんが)ため、

書かねばならないお手紙やら

しなければならない電話

説明しなければならない事柄、などなど

日々適切に手取り足取りのお世話が必要。

 

いわば、要介護5(5段階表記、5が一番重症)

 

の状態であり

彼女たちの献身的な介護がなければ

日本の医療は成り立たない。

 

極論を言ってしまえば

手練れのナイチンゲールと

切れ味カミソリ的な事務方がそろえば

あとはドクターなんていらないんじゃないだろうか。

手術だけしておけばいいような気がする。パラダイス。

 

この病院窓口が腐ってると

どんなに良質な医療を施そうと尽力しても

マダムたちに届かない。

病院の印象は受付嬢と婆で決まる。

彼女たちを徹底的に

教育・指導・自分好みにすることで

よりかゆいところに手が届く外来を展開できると確信する。

 

ついでに言えば、お金の計算は

ドクターはおしなべてちょー苦手

(たまにマネーゲームが好きなドクターもおるが)。

ふるさと納税だけの確定申告すら

めんどくさくて税理士さんにぽーい、と丸投げな私なぞ

厚生労働省が分かりづらいように構築した

診療報酬点数表など、

え、これ、サンスクリット語?としか思わん。

そこを事務方がきめ細やか、丁寧に料金を徴収し

過不足なく法の目をかいくぐり請求し

病院が倒産しないよう見張っていて下さるからこそ

病院経営は成り立つ。

 

そんなこんなで大変大変お世話になっとりやす。

ありがとー

 

ちなみのちなみに、だが

私の知人が自分のクリニックを開くにあたり

ヴ●トンのイケメン店員を数人引き抜き

窓口に据えたところ、びっくりするくらい

マダムからのクレームが少なかった、という怪情報がある。

窓口には善男善女だけではなく

自らの欲を押し通そうとする不遜な輩も大勢押し寄せるが

どうもマダムの傾向として

イケメンの前ではいいかっこしがちなんでわ、と言うのが

このギョーカイでの新しい常識のようである。

みんなどうした。

 

 

 

 

いつの時代も「かわいい」は

まごうことなき正義、なのであります。