婦人科便り265 手術と麻酔の密なる関係 | 婦人科備忘録

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ある婦人科医の独り言です

ネタ提供ありがとうございます。

 

割と麻酔に対するご質問やご要望が

全国のマダムより寄せられております。

 

わかる

 

麻酔の良しあしで術後の立ち上がりが変わるもんね。

 

手術はしんどいが、しんどさの8割は

麻酔によるもんじゃないかと勝手に推測。

もちろん、その腹の傷の痛みは私のせいだけどさー

吐き気や頭痛は私のせいじゃない、的な?

 

大人気だったDoctorXの主人公

なんでもできちゃうフリーランスのスーパー外科医

大門美智子。

あれはファンタジーで現実的ではないのだけれど

一点だけすごくすごくすごーーーーーーーーくうらやましい点がある。

 

それは、

お抱えの

ちょ~う優秀な麻酔科医が

麻酔を常に担当してくれている点。

 

うらやますぃ~~~~~~~~~~

 

めっちゃうまい麻酔科医が麻酔をかけてくれると

ほんとにお腹が柔らかく抵抗がなくなり

手術の腕が1段階上がった気がする。

車で言うならトップギアに入るまでの時間が短くて済む。

アクセルを踏んだらすーっと行く感じ。

わかるかーーー?わかんねえだろーなーーーーーー(くだをまく)

 

ベテランのおじさん麻酔科医は強面が多くて

麻酔のやり方に不平不満を言おうもんなら

もう麻酔かけちゃらん、とかすねにすねまくるため

適宜機嫌を取りつつ

うまいこと上手に麻酔をかけてもらおうと

あの手この手で食事などに誘い

なんとかうまいものと引き換えにお目こぼしを受けようと

躍起になっていたこともある。無駄な努力だったわー

やつら、かわいこちゃんにちやほーやされるのに慣れてるんで

私が参戦してもまったくちっともぜんぜん効果なかった。

 

ちやほーやが苦手よ。マジで。

 

今やたいていの麻酔科医より

学年も年齢も高くなってしまったため

ある程度の融通が利くようになったが

それまでの道のりは、いやはやとんでもなく険しかったなり。

 

だいたいさー

麻酔のセンセって術後経過を見ないんですよ。

マダムが頭痛で苦しんでてもげろげろ吐いてても

担当医にお任せメニューであんま、気にしてないし。

そもそも気にする文化がない。病室にいったん帰っちゃうと。

ここも個人差、自助努力ってのは存在しますんで

術後のケアや体調に気を配ってくれる

スーパーでエクセレントな麻酔科医も一部存在はしますが、幻の珍獣レベル。

 

そんな中でも若くてやる気のあるセンセの方が

麻酔は上手な印象です。

マダムはベテランを好む傾向にあるが

日進月歩のこのギョーカイ、

若いセンセの方が腕前がいいことが多いですYO

以前勤務していた病院でも、年若い先生が一番上手だったでス。

 

まあ、患者さんの要望は前日までなら

割と聞いてくれることが多いんで

よくお尋ねいただくような

硬膜外麻酔は嫌です、とか

手術室に入ったら即、寝かせてください、とかのご要望は

麻酔、絶対にかけないでください以外は(当たり前や)

マダムがごねれば通ります。

 

ちなみに、腕の良い麻酔科医は

お腹を開けるときはふか~い麻酔をしてくれて

手術が終わるころに合わせてマダムを時間通りにすっと起こしてくれる。

心地よい目覚め。医者もマダムも。

 

ここらへんは才能、腕の見せ所のような気がします。

ご参考・・・にはならないか。ごめん。

 

頼むぜ!麻酔科医!!