婦人科便り116 生理周期を合わせる検査 | 婦人科備忘録

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ある婦人科医の独り言です

さてさて生理周期を合わせるべき検査は

① 子宮鏡検査

② 子宮卵管造影検査

③ 女性ホルモンなどの各種ホルモン検査

などが挙げられます。

他にもあるけど、ちっさいんで

その都度担当医の指示に従ってほしい。

 

まずは

①子宮鏡検査

生理の血が終わりかけの頃 生理7~10日目に

来てもらいます。

その頃が一番子宮内膜が薄くなっていて、

ポリープや筋腫がよく見えるんですな。

逆にエコーでは排卵日前後がよく見えるため

ポリープを疑ってエコー検査なら排卵日に受診、

子宮鏡検査なら生理7~10日目指定です。

 

② 

子宮卵管造影検査も生理7~10日目でお願いすることが多いです。

排卵日近くなると、子宮内膜が厚くなりすぎて

両側の卵管口の通りが一時的に悪くなることもあるし

放射線をお腹に浴びせて写真を撮影するので

せっかく育った卵胞に浴びせたくないし。

いちお、私の病院では

1週間以内に造影剤のお腹の中の散らばりを検査するため

もう一回レントゲン撮影をするので、

子宮卵管造影検査の後は妊娠を控えるようにお願いしますが

紹介元によっては「やっちゃえ妊娠」てなとこもありますので気を遣う。

 

まあ、そのまま妊娠してもたいして影響はないと思うのですが

それでも生まれた赤ちゃんに何かあったら

「あの時私がレントゲン撮影したから・・・!?」とか

お母さんたち悩み苦しむでしょう?

そういったことも含めて「今周期はエッチすんな」と言うてます。

余計な苦悩はできるだけ削減。

 

③ 

女性ホルモンなどの検査も生理周期によって値が

大きく変化するので、いわゆる「基礎値」を調べるときは

生理5~7日目までに受診してもらいます。

今はやりの抗ミューラー管ホルモン(AMH)だけは

生理周期に左右されないのでいつでもOK。

 

現代日本、職業婦人はとても忙しいので

検査の計画もなかなか日程調整がめんどくさいのですが

せっかく検査するならちゃんとした状況で

信頼できる検査結果をもらえた方がいいので

ぜひぜひご協力いただければ・・・!

外来でごねにごね、日曜日に検査してよ~!と

発狂しているマダムをお見掛けすることもままありますが

アメリカ大統領以外はたいていなんとかなるもんです。

そしてジョー・バイデンは卵管造影検査しなくていい。当然

 

あなたの交渉相手は職場の上司であって

外来の看護師さんでもなければ警備のおっちゃんでもないので

押し問答しないように。

全部聞こえてるで。

 

あなたの頑張りとふんばりは

世界平和とお給料のために行われるべき。

健闘を祈る。