ご質問のお答え:生理中の内診 | 婦人科備忘録

婦人科備忘録

ある婦人科医の独り言です

ネタ提供ありがとうございます。

 

かゆいところに手が届くとご好評いただいた。わーい

孫の手・・?私、孫の手なの??

おじーちゃんちにあったなあ、背中をかくアレ。

本日も孫の手ブログを更新しまっす。

 

さて、やまとなでしこシリーズ

内診室で粗相があってはならない、という

清らかな心の持ち主から麗しいお便り。

 

Q.生理中の内診は避けた方がよろしいでしょうか。

 

A.診察する方は全く全然ちっとも気にしませんが

 こと頸がん検診をご希望の場合、

 うっかり検査ができないことがあります。

 

生理中に診察することに

は全く全然ちっとも(しつこい)抵抗がない我々ですが、

時に子宮頸がん検診ができないことがあります。

正確に言えば、細胞診の精度が下がる。

 

頸がん検診の時、こちらはどうやっているかというと

子宮頸部を綿棒、もしくはブラシで擦って

ガラスの板に塗り付けています。

これを病理の先生が細胞を染色して

顕微鏡で見てくれているのだが

背景に血液、つまり赤血球が多いと

目指す頸部の細胞がよく見えなくて診断しづらいらしい。

 

頸部の細胞=扁平上皮の細胞を1枚のガラス板(プレパラート)の上で

8000個数えて、細胞の顔つきを仕分けする作業を

しなくちゃならないので、ガラス板が真っ赤だと

途中でヒステリー起こすこと必至。

キビシイせんせだと、「判定できません!怒」と、なりかねない。

いわゆる検査不適正(判定できんがなってことね)になると

再検査に回されちゃうため、余計にお金がかかることになる。たいへん

 

・・・という裏事情から、生理中は避けた方が無難です。

 

まあ、生理も終わりがけで、茶色いおりものが

ちっと付くくらいなら診断は可能なので

強行突破していただいても

こちらは全くちっとも全然気にしない。いつもの風景

むしろ、生理の量は貴重な情報なので

わたし、生理多いかも?と思えば

一番激しい時に受診してもらうと

大いに同情、かつ正確な過多月経の診断ができます。ええ

命を賭けて無理に受診しなくてもいいですが。

 

蛇足かもしれないが、

生理の周期を合わせた方がよい検査、というのは

婦人科ではまま、ありまして

ざっと列挙すると

 

① 子宮卵管造影検査

② 子宮鏡検査

③ ホルモン採血

などです。

 

それぞれについては

いずれ解説を加えていきたいと思います。