K-1 WORLD GP 2018
2018年6月17日
さいたまスーパーアリーナ

以前は、ハートの弱さが指摘されていた卜部功也。兄弟対決となった60キロ級王座防衛戦でも、兄を攻めきれず初防衛に失敗している。
しかし、16年の同級トーナメントでは、大雅を31秒でKO圧勝し、リベンジと王座奪還に成功する。そして、今年三月の62.5キロ級タイトルマッチではウエイトオーバーのチャンピオン、ウェイルイを2ラウンドKOに降し、二階級制覇に成功。
もともとテクニック、ことにディフェンスには定評があったが、難敵からKO勝利するという覚醒した姿を見せてくれた。

今回の相手ブラックドラゴンは、タイに拠点を置くアフロアメリカンの選手である。ゴングが鳴り、序盤様子を見る功也。ブラックドラゴンは、見事にビルドアップされた身体から定石通り、ジャブや左ミドルを放つ。タイで練習しているだけあって、技術はしっかりしているようだ。
ラウンド中盤、早くも拮抗状態が崩れる。功也がサウスポーから左のヒザ蹴りを三連発。ブラックドラゴンは、ボディーにダメージを受けるも、果敢に攻め込む。
そこに、功也のスピードに乗ったパンチの連打が。左のフックがブラックドラゴンのテンプルに食い込み、そのままダウン。ブラックドラゴンは、立ち上がるとパンチで前にでるが、そのジャブに、今度は右ハイキックがカウンターで炸裂。二度目のダウンのブラックドラゴンはからくも立ち上がり、ゴングに救われる。
第二ラウンド、ブラックドラゴンは、先ほどのダウンが嘘の様に息を吹き返し、パンチで前進してくる。しかし、功也は落ち着いてそれをいなし、ブラックドラゴンをコーナーに詰め首を抑えると、テンプルに左のヒザを二発。まともにもらったブラックドラゴンは、ダウンすると立ち上がることは出来なかった。
国内のライト級戦線で、頭一つ抜けた感のある卜部功也だが、現状のK-1のリングでは、対戦相手が限定されているのが悔やまれる。