全国の保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専門学校、警察学校などなど…
3月も終わりに近づいてきましたね。
卒業生のみなさん、ご卒業、誠におめでとうございます。
今年は未曾有の大厄災で、3月の休校措置が取られ、なんとも寂しい一ヶ月を過ごされた学生さん、教職員のみなさんもおみえかと思います。
4月になり、新しい学校生活、社会人生活を気持ちよくスタートできることを心よりお祈り申し上げます。
さて、世の中がどんよりとした雰囲気の中、オレは意を決して映画館へ行った。
観客はオレを含め2名…サツバツ!
本来ならば、もっともっとたくさんの観客を集めて然るべき作品であるはず…!と握りこぶしを作りながら今回の映画を鑑賞してきた。
あなたは、給食が好きですか?
もしくは、好きでしたか?
あなたは、どんな給食が好きでしたか?
日本人であれば、この話題で全国のどんな人とでも、どんな世代の人とでも、そんなテーマで会話が弾むことだろう。
そんな日本人にとって、なくてはならないもの…それが給食だ。
いわば日本人の心とも言っていい…
和食が世界遺産ならば、日本の給食は宇宙遺産でもおかしくないとオレは言える。
語り出すと止まらなくなるのでこの辺にしておこう。
まずは、「おいしい給食」とは何かを説明しなければならない。
ドラマ https://oishi-kyushoku-tv.com/
映画 https://oishi-kyushoku.com
昨年10月〜12月にかけて放送されたドラマが原作であり、映画はその延長なのだ。
舞台は1984、夏。
常節中学校の教師 甘利田幸男(市原隼人)には誰にも言えない秘密があった。
「給食が大好き」…給食のために学校に来ていると言っても過言ではない。
しかし、絶対にこの秘密を知られてはならない…
教師としての威厳を保てなくなるからだ。
そんな甘利田が担任する1年1組には、神野ゴウという給食が大好きな生徒が存在する。
甘利田は常に自分との対話の中で毎日の給食のメニューを味わう。
そう、優しく、語りかけるようにだ。
そして常に甘利田は神野より先に完食する。
すると神野は常に甘利田に挑戦的な眼差しを向けるのだ。
そして毎度様々なアレンジを、そう、うまそげに給食を食するのだ!!
そして甘利田はいつも神野の食し方に強烈なインパクトを受け、敗北宣言をするのだ…。
大まかにまとめると、そんなドラマである。
読んでいるあなた、興味をもっていただけただろうか。
このドラマには郷愁がある。
舞台となるのは田園広がる1984年の日本の原風景だ。
アコーディオンとともに流れるマーチングのオープニングテーマ。
音楽からも懐かしさを感じさせる。
そして極めつけは常節中学校の校歌である。
この学校は教育目標に「食育健康」を唄い、給食の時間には全校放送で校歌が流れ、全校生徒は姿勢正しく声を揃えて歌うのだ。
誰もがどこかで聞いた、歌ったことのあるようなメロディー。
これに郷愁を誘われない日本人はいまい。
メインテーマはもちろん給食である。
1984年。米はまだ給食には登場していない。
主食として登場するのはパンがメインである。
戦後、食料不足の日本を救うために、考案された安価に製造できるパンが学校給食に導入された。
うどんやミートソースには昔懐かしソフト麺。
ソフト麺の正式名称は本編で語られるのでぜひチェックしてほしい。
ドラマで採用されたのは、以下のメニューである。
1話 鯨の竜田揚げ
2話 ミルメーク
3話 ソフト麺
4話 八宝菜
5話 酢豚
6話 ワンタンスープ 白身魚のフライ
7話 焼きそば
8話 冷凍みかん
9話 アゲパン
10話 カレーライス
映画 鯨の唐揚げオーロラソース すき焼き風煮
最近の学校給食では、滅多にお目にかかることがない鯨が頻繁に出てくるのがこの時代である。
オレの親世代にも昔は鯨がよく出たと子供の頃に聞かされた。
オレの好きなコンテンツというのは、得てして登場人物が皆人間として味があり、かわいいのである。
主人公の甘利田は、超イケメンであるがそんな容姿を一切ひけらかすこともなく常に給食のことだけを考えている。
生徒の前では笑顔をほとんど見せず、常に厳しい態度で接する教師である。
そして担任する神野には絶対に負けたくないという子供らしさも併せ持っている非常にかわいい存在だ。
校歌をウッキウキで歌い、給食を食べる時にだけ笑顔を全開にし、心の中の声はテンションマックスである。
副担任の御園先生(武田玲奈)は単純にかわいい。
回を追うごとにどんどんかわいく見えてくる。
若いなりの拙さや、猪突猛進なところが非常によい。
シリーズを全て見終わると、御園先生は彼女でしかありえないと思えてくる。
そして甘利田のライバル神野。
いつもおいしい給食の食べ方を追求する熱心な生徒だが、中学生特有の悩みを抱えながら生活している人物である(とは言ってもほとんどの悩みは給食についてであるが)。
クラスや職員にも個性的な面々が多い。
オレが特に好きなのはリーゼントやオールバックのやんちゃボーズたち。
田舎の生徒らしく、大きくすれることなく素直に学校生活を送っているところが非常によい。
オレは今回、この映画というよりもこのコンテンツに大きな感銘を受けた。
なぜ、今給食なのか。
給食を通して何を考えなければならないのか。
そんなことを考えてしまう。
昨今の問題として、給食費の未払いだとか、地域格差によるメニューの品薄さだとか、物価の高騰による給食費の値上げだとか、牛乳業者の瓶での配給の撤廃だとか、家庭の食事で子供が十分に栄養を得られないとか、いろいろな問題がある。
そんな社会の中で、学校でみんなで食べる給食って、楽しいよね。
好きなメニューや嫌いなメニューもあったけど、毎日楽しかったよね。
という給食の素晴らしさに今一度気付いてみようじゃないか…
そんなメッセージが制作者たちから聞こえてくるような気がした。
オレは小学校でしか給食を食べられなかった。
中学校は謎のランチ弁当予約システム。
高校は弁当だった。
大学は学食であったが…
中学校でも給食があるとよかったと今では少し思うな。
今では給食もだいぶ変わっていると思う。
昔は全部食うまで教室から逃げられずに座らされていることもあったが今はどうなのだろう。
みなさんも、YouTubeの予告編などでもいいので、この作品の雰囲気を味わっていただければ光栄である。
オレは政府が10万円くれたら迷わずDVDボックスを買うだろう。