■相続人申告登記

[令和6年4月18日(木)]


*「登記の目的」欄に「相続人申告」と記載されている登記は、所有権の登記名義人(所有者)の相続人からの申出に基づき、登記官が職権で、申出があった相続人の住所・氏名等を付記したものであり、権利関係を公示するものではない。


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これまで気付きませんでしたが、「不動産登記事項証明書(いわゆる不動産登記簿謄本)」や「不動産登記情報(オンラインで取得する、登記内容を確認できるもの)」の欄外に、こんな注意書きがされているのを見つけた。


そういえば「不動産の相続登記義務化」に伴い、「相続人申告登記」なる制度ができましたね。


不動産の相続登記は2024年4月1日から義務化され、相続により不動産を取得したことを知った相続人は、その日から3年以内に相続登記を申請しなかった場合、10万円以下の過料(「罰金」のようなものですが、刑事罰ではないので、検察官に起訴され、刑事裁判にかけられたり、前科がつくことはありません)が課される可能性があります・・・会社等の登記懈怠による過料制裁同様、懈怠期間と制裁の有無についての明確な判断基準は不明。


「相続人申告登記」とは、期限内に相続登記ができない場合に、暫定的に登記義務を果たしたと扱ってもらうためにする手続きです。


相続人間で対象の不動産を誰が相続するのか意見がまとまらず、3年の期限内に協議を成立させる(登記をする)ことが難しい場合等に、各相続人が単独で申告登記をすることが可能で、この申告登記をした相続人は、相続登記の義務を果たしたと扱われるため、3年が経過しても過料が課されることはありません。


「不動産の相続登記義務」は、法改正前に発生した相続にも遡及して適用されるため、これから、登記簿(登記記録)上で見かけることが多くなりそう・・・ってか、実際に登記事件として受託する方が早いかもしれませんね。