記憶5 (潤と和也) | 嵐にまみれて ~嵐妄想小説~

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嵐妄想びーえるです

復活メールが届きません…(iДi)
神様悪いところがあったら
直します
あの綺麗な背中の主に合わせて下さい
(。>0<。)
みなさん いかがお過ごしでしょうか?
会社に行く気もしない日々を送っております
kichoです はぁ…愚痴っぽい
だめだ 楽しいことだけ考えよう!
今日はこの後 ハワイコン観よ


















和也との逢瀬は 

潤之介様を成長させてゆきます

どちらかと言えば 
世間知らずで 華やかな遊びに

興じていた潤之介様は 

和也の豊富な知識のもと 

米の相場を知り 天候に思いをはせ 

百姓の苦労を 職人の努力を 

商人の抜け目のなさを
 
華やかに着飾る反物が 髪か飾る櫛が 

気軽に食べていた にぎりめし1つが 

どれ程多くの人々の手を介さなければ

出来上がらないかをお知りになりました



引き籠もり算盤ばかり弾いていた和也もまた 

潤之介様に連れら廻った芝居小屋で

茶屋で 華やかな反物や櫛が 

にぎりめしが 人々の暮らしをいかに彩るか

体感致しました



お二人は 天秤ばかりの右と左 

対で居ることでバランスが取れて

いたのでございます



三男の潤之介様は ゆくゆく

市井に下り生活を立て

そこで和也と気楽に暮らしてゆく

おつもりだったのです





年が明けたら ご両親様に話され 

お許しもらう

そんな楽しい夢想に胸を躍らせて

いらしたのでございます



しかしその年の冬は酷い寒さで 

流行病が横行し 多くの者が亡くなりました


潤之介様のお兄様方も 

相次いで身罷られてしまわれたのでございます


そして潤之介様も お兄様方と同じ病で

床に伏してしまわれました

病は段々に進行し 潤之介様のお命すらも

風前の灯火に見えます




松本家の方々は お慌てになられました


跡取りばかりか 次男の君も亡くなられ

三男の潤之介様のお命は 明日をも知れぬほど

ご容態は悪化しておりました

お医師も お心のご準備をと

則します

 

お家存亡の危機でございました



その時思い出されたのが 

潤之介さまの双子の弟君のことでございます



家のことを取り仕切っていた 

爺をお呼びになり

あの日の赤児をお探しになるよう

お命じになられました


遠きあの日 闇に紛れて

連れ出された赤児の行方

爺は懇意にしている出入りの商人に

赤児を託したのでございます

赤児は人の手を介し

さる大店に貰われたことを突き止めました


御店の名前を聞いて 爺は

深く嘆息致します

ご兄弟で愛し合うとは

なんと深き業でございましょう




弟君の引き取られた先は

呉服問屋にのみ屋でございました

そうです

潤之介様と和也様は双子の

ご兄弟だったのでございます





爺は 教えられた大店に出向き

事情をお話になり 

和也を お返し下さるよう頭を下げられました 


武家が町人に頭を下げるなど

本来考えられぬ事

しかし 和也様のお人柄を潤之介様を介して

知っておりました爺は

いかに和也様が

跡取り息子として可愛がられ

大切に育てられたか

肌で感じていたのでございます


にのみ屋家の御当主もお武家様に

頭を下げられれば嫌とは言えませぬ故

泣く泣く和也様を手放されたのでございます

 





本来のお家に戻される

ことになった和也様ですが

本当は潤之介様と双子だったことは

秘中の秘  

まずそこそこ大きなお武家の養子になられ 

それから松本の家に

養子になるという段取りがとられました




潤之介様が病に伏せられてからは

和也様も お会いになれておりません

松本のお屋敷に初めて足を踏み入れる

和也様は 潤之介様に

真っ先に逢えるものと想っておりました


「爺やさん 潤之介様のご容態は

いかがですか?

一目お会いすることは叶いませんか?

私に看病させて頂くわけには

まいりませんでしょうか?」




「和也様 今は堪えて下さりませ

爺が必ず 潤之介様にお会いできるよう

計らいますので」





通されたのは謁見の間でございました

爺より殿様と奥方様ご挨拶されるよう

言われ お武家のしきたりなど

何もわからぬまま御前に進みます


はじめて本当のご両親様に

お会いになられる和也様は

いたく緊張されておりました



「お初にお目もじ致します 

和也にございます」




「…そなたが 和也か 面を上げよ」



和也様は静かにお顔をあげられました


そこへ パシリ!と扇子が

投げつけられたのです


「のうのうとこの場に顔を出しおって 

下賤に育てられた者は浅ましやのぉ!

お前が病にかかれば良かったのじゃ!

なぜ潤之介が…妾の潤之介が…」




奥方様は 唇を震わせ突っ伏して

泣き出されてしまいました



和也様の眉間から紅き血がゆっくりと

つたい落ちて参ります 

その紅き血は 

にのみ屋の母様が晴れの日の為に

用意してくれた若草色の着物に

ポタリと落ちて黒いシミになりました



殿様はチラリと奥方様をご覧になりましたが

何事も無かったように



「詳しいことは爺に尋ねるが良い」


そう言い置いて立ち去られ 

奥様もまたお側付きの者に付き添われ

退出されてゆきました




和也様は 広い謁見の間に 

お一人の残され

ただ増えて行くシミをジッと

見ておられたのでございます