本日は雀休日。

・・の予定が・・


15時半。一本の電話が鳴る。
『ホーム』の雀荘メンバーからである。

メンバーさん(以下:メ)「○○さん(私)、今日お待ちしてます。」

私:「ん?いきなりどうしたの?今日は行けないって昨日言ったじゃん。」

メ:「ご指名が入りましたので(笑)」

私:「ウチは、ホ○トクラブじゃないんだけど(笑)」

メ:「良いから来て下さい(笑)」

私:「だから無理だって(笑)」

メ:「そうなんですか?残念だなぁ~折角△△さんが○○さんを今晩の相手にご指名されてるのに・・」

私:「へっ!?△△が来てるの!?突然どうしたの?」

メ:「何となく遊びに来たみたいですよ。○○さんと僕の顔を久しぶりに見たくなったみたいで。」

私:「とりあえず解った。仕事終わらせたらそっちに行くよ。」

メ:「解りました~早く来ないと帰っちゃうよって言ってます(笑)」

私:「解った。じゃあすぐ行くよ(ガチャッ)」


というワケで、急遽仕事を終わらせて、いつもの『ホーム』へ(笑)。

△△というのは、私が以前妹の様に可愛がっていた、このお店の元アルバイト従業員さん。
飲み物を運んだり、おしぼりを出したりするウェイトレスとして雇われていた。
昔は、こういったウェイトレスさんを雇わないと間に合わない程に繁盛していたこのお店も、今は残念ながらメンバーさんが暇してる時間帯も結構あるお店になってしまい、自然と『ウェイトレス』という職域が淘汰されてしまった。
私より10歳も若い、見た目も可愛らしく、愛想も良かったので、私達オヤジ連中(と言っても当時30代前半(笑))にはアイドル的な存在であった。

当時、メンバーさんと親しくしている私が、終わった後によく一緒に行っていたショットバーがあった。
他の人に内緒にしていたワケではないが、特別誰に報告する必要も無かったので、お店の中では殆どの人が知らなかった。

とある日、△△が私にいきなり
「今度ショットバーに連れてって下さい」
とコッソリ言ってきた。
何で知ってるの?と思ったが、多分メンバーさんが自慢げに話したのだろう(笑)と思い、軽く『いいよ』と答え、名刺と携帯番号を手渡した。
待ち合わせ場所と時間を決め、当日そこへ向かうと・・

私はてっきりメンバーさんも一緒だと思っていたが、待ち合わせ場所に来たのは彼女1人。
ものすごく鈍感な私は、特に気にも止めず、じゃあ行こうか~と、普通に2人でお店に入った。
カウンターに座り、早い時間でお客さんが少なかったのもあり、親しいバーテンさんが私に付いてくれた。
珍しく、私が若く可愛い女性を連れているので、バーテンさんは色々と気を遣ってくれた。
△△は、こういったお店に入った事がなく、しかも、バーテンさんが自分の為にオリジナルカクテルを作ってくれた事にとても感激していた。
そして、お悩み相談が始まった。


私は、△△はてっきりそのメンバーさんの事を好きなのだと勘違いしていた。
よくコソコソ話していたり、仲良くしていたので、そこには立ち入らない様にしていた。
しかし、その日から約2週間後、普段真面目だったのに、休みがちになった彼女は突然お店を辞めてしまった。
1ヵ月後、このメンバーさんと一緒にショットバーに行き、△△の話になった時、初めて私の事が好きだったのを知ることになった。
言われてみれば、思い当たるフシはいくつもあった。
私と親しくしているメンバーさんは、いつも△△から相談を受けていたらしく、私をショットバーに誘ってきたのも彼女からしてみれば、相当勇気のいる行動だったのである。
そんな気持ちに全く気付いてあげれず、彼女の話を『兄貴』の様な存在として『妹』に応える様な、そんな応対をした事で彼女を傷つけてしまったのだ。


久しぶりに会った△△は、可愛い女の子からとても綺麗な女性になっていた。
メンバーさんと3人でご飯を食べに行き、懐かしい当時の思い出話をした。
突然遊びに来た理由は話そうともせず、敢えて聞きもしなかった。
今更、40歳になろうとするオヤジに、つまずく事など無いだろう。
私は、幸せな生活を送って欲しいという『兄』的な気持ちと、もしこの子と付き合っていたら私の人生も変わっていたのだろうか?という、何となく遠くに感じる様な気持ちが複雑に入り乱れたまま、彼女と別れたのである。

本日の打荘数=2。
△△と、メンバーさん2人にて。