JOURNEY 「ESCAPE」 | kichi ’s World Review

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SF、音楽等、個人的こだわりの作品レビュー。

ジャーニー 「エスケイプ」


 映画「ジャーニー/ドント ストップ ビリーヴィン」が3/16から公開される。


 ジャーニーは当初、サンタナのギタリストだったニール・ショーンを中心に結成されたが、プログレ/ジャズを主体とした音楽性は大衆性を獲得できず、特に日本においては無名の存在に近かったが、2代目ヴォーカリスト、スィーヴ・ペリーの加入により、’80年代の黄金期を迎えた。

 しかし、ソロプロジェクト、メンバーの脱退等で80年代後期に活動を一旦停止する。’96年に黄金期のメンバーで活動再開するも、今度は看板ヴィーカリストのスティーヴが退行性骨関節疾患を患いリタイヤしてしまう。その後、別のヴォーカリストを入れ活動をするが全盛期の勢いは戻らなかった。


 かつての栄光を求めてかどうかは判らないが、ニール・ショーンはYOU TUBEの動画で発掘したフィリピン人シンガー アーネル・ピネダを加入させ、バンドの再生を図る。その辺りの事情を今回の映画ではドキュメンタリーとして描いているらしい。確かに映像を垣間見る限りではスティーヴ・ペリーと区別がつかない位、ソックりな声をしている。それはそれで有りだと思う。例は違うが、QUEEN+ポール・ロジャース程の違和感は無いし、09年の来日公演も盛況だったらしい。今更ながらの映画化という感は否めない。


 しかし、個人的にはジャーニーは「エスケイプ」と「フロンティアーズ」で終わってしまっている。高校生の時に、繰り返し聴いた愛着のあるアルバムの印象が余りにも強すぎて現役感をまるで感じない。ジャーニー=スティーヴ・ペリーである。デヴィッド・リー・ロスの復活したヴァン・へイレンも断然良かったが、多感な頃に吸収したものはオリジナルに近くあって欲しいと思ってしまうのはその時代への郷愁である。 

 



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