七情  3 | 【きぼう堂鍼灸治療院ブログ】 まぁ、飄々といきましょう。 

【きぼう堂鍼灸治療院ブログ】 まぁ、飄々といきましょう。 

「病は気から」 病気は心の状態が身体に現れたもの。

健康を回復するには心の癒しが何よりも大切!

このように考える鍼灸師が、日常や治療の中で感じたことを拙い文章で書いています。

とは言っても、難しいことは考えず、まぁ、飄々といきましょう。(^O^)/

心と身体について、ちょっと書いてみます。

私は気とはエネルギーであり、それは気持ち、感情でもあると考えています。

つまり、心の状態がエネルギーの状態を表し、生命力を現していると思います。



前向き、ポジティブ、プラス思考は、気、エネルギー、生命力が強い状態を表し、

逆に、後向き、ネガティブ、マイナス思考は、弱い状態を表します。

いつもポジティブな気持ちの大切さを書いているのも、その為です。



前回、ここで書いた七情は、内因といって健康を損なう感情を表し、

それは五行に分けられることを書きました。



(過去の記事 七情 、 七情 2 、を参照)



今回は私の経験上、どのように七情が健康と関わっているかを書きます。



私は脈診で経絡(気の流れ)の変動を知りますが、

このとき患者さんの感情の乱れも推測します。



例えば、腎経に著しく変動があれば、

七情の「恐、驚」を考え、心配や不安を強く持っていないか?とか

肝経に変動があれば、

「怒」を考え、焦り、イライラな気持ちが続いていないだろうか?など推測します。




治療していく際に必要であれば、心の状態と健康、身体との関係の大切さを説明します。


そして、治癒には、ご本人が前向きな気持ちを持とうとする意識変化が大切であり、

鍼灸治療により身体が良くなることが、前向きな気持ちになることを手伝うことになることをお伝えします。




臨床例として、

長年の慢性的な倦怠感、自律神経失調症、不眠を訴える女性の場合、



脈診をすると肝経と腎経の経絡が著しく弱い。

お話を聞くと、身内の人で強く憎しみを覚える人がみえ、

その人のことを考えると、どうしようもなく心が乱れるそうです。

こんなことが長年続いているそうです。



私は経絡(気)の乱れと感情、病気、身体について説明をして、

肝経と腎経が強くなるように鍼と灸をして、脈診で経絡変化を確認しました。



患者さんに心の状態を聞くと、

「先ほど、当人を思い出して話したら、イライラと倦怠感が強くなっていたが、

   治療後は身体が軽くなり、イライラ感が減り、気分が落ち着いてきた。」

と仰いました。



顔の表情、声が、来院時より明るくなったのは私も確認出来ました。



これは強い怒り、憎しみで木の性質の肝経が乱れていたのが、

治療で調い、怒りの感情が和らいだからだと思います。



ただ、この人が本当に元気に健康になるためには、鍼灸治療だけでは不十分です。

ご本人が、身内の人に対する憎しみを止めなければならないでしょう。



でも鍼灸を通じて、長年の体調不良の原因が、人を強く憎んでいたことである

と気付いてくれたことは良かったと思います。



そして治療で身体良くなれば、心にも余裕が出来てくると思います。

誰でも、自分の心が苦しい状態なら、人を許すことは難しいです。



しかし、何らかの方法で、心に余裕が出来れば、マイナスの思考を

プラスに変えることも、きっと出来てくると思います。



このように感情の乱れ、七情が、経絡(気)の乱れを起こし病になっていくことが

判ります。

そして、鍼灸が気持ちを落ち着かせることに手助けすることが出来ます。



現代社会をストレスなく生きている人は少ないと思います。

誰もが大なり小なり、悩みを抱えています。

身体の不調の原因が、心の状態から起こっていることは多いと思います。



特に薬を飲んでも、何をやっても、一向に改善がみられない場合は

そうだと思います。



鍼灸というのは、単に肉体に鍼という金属で刺激をするだけの治療ではない

と思います。



特に経絡を扱う鍼灸ならば、内因(七情、心の乱れ)にも良い影響を与えると

私は臨床を通じて感じています。




他にも七情が原因の臨床例がありますので、機会があったら書きたいと思います。





おしまい