心無いポストが多いので、何を言っても理解されない…無駄な気持ちがして辛いです。憶測やあちこちからのつぎはぎでトンデモ解釈が生まれていくのでしょう。

 

ご遺族の手記をここにまとめて全文引用いたします。ここに全部の答えがあります。最後に合意書の要旨も掲載しておきます。

 

 

最初のご遺族の手記はこちらから引用しています。

 

 

遺族の代理人弁護士が11月10日の会見で明らかにした遺族の訴え(全文)

 

2023/11/10 

娘の笑顔が大好きでした。

その笑顔に私たちは癒やされ、励まされ、幸せをもらってきました。

けれど、その笑顔は日に日に無くなっていき、あの日、変わり果てた姿となり二度と見ることが出来なくなってしまいました。くりくり動く大きな瞳も、柔らかい頬(ほお)も、いとおしい声も、何もかも私たちから奪われてしまいました。

「どんな辛いことがあっても舞台に立っている時は忘れられる」と娘は言っていました。けれど、それを上回る辛さは、忘れられる量をはるかに超えていました。宝塚歌劇団に入ったこと、何より、宙組に配属された事がこの結果を招いたのです。

本当なら、今年の夏に退団する予定でしたが、突然の同期2名の退団の意向を知り、新人公演の長としての責任感から、来春に延期せざるを得なくなりました。それは、娘自身の為ではなく、自分が辞めたら1人になってしまう同期の為、そして下級生の為でした。

あの時「自分のことだけを考えなさい」と強く言って辞めさせるべきでした。なぜそう言ってやらなかったのか、どれだけ後悔してもしきれません。

大劇場公演のお稽古が始まった8月半ば以降、娘の笑顔は日ごとに減って辛く苦しそうな表情に変わっていきました。それは、新人公演の責任者として押し付けられた膨大な仕事量により睡眠時間も取れず、その上、日に日に指導などという言葉は当てはまらない、強烈なパワハラを上級生から受けていたからです。その時の娘の疲れ果てた姿が脳裏から離れません。傍(そば)にいたのにもかかわらず、切羽詰まっていた娘を救えなかったというやりきれない思いに苛(さいな)まれ続けています。

劇団は、娘が何度も何度も真実を訴え、助けを求めたにもかかわらず、それを無視し捏造隠蔽(ねつぞういんぺい)を繰り返しました。

心身ともに疲れ果てた様子の娘に何度も「そんな所へ行かなくていい、もう辞めたらいい」と止めましたが、娘は「そんなことをしたら上級生に何を言われるか、何をされるか分からない、そんなことをしたらもう怖くて劇団には一生行けない」と涙を流しながら必死に訴えてきました。

25歳の若さで、生きる道を閉ざされ、奪われてしまった娘の苦しみ、そして、あの日どんな思いで劇団を後にしたのかと考えると、胸が張り裂けそうです。

私たちは、声を上げる事もできず、ひたすら耐え、堪え、頑張り続けてきた娘に代わって、常軌を逸した長時間労働により、娘を極度の過労状態におきながら、これを見て見ぬふりをしてきた劇団が、その責任を認め謝罪すること、そして指導などという言葉では言い逃れできないパワハラを行った上級生が、その責任を認め謝罪することを求めます。

 

 

2月の妹さんの手記はこちらから引用しています。

 

2024/02/27  妹さんの手記

 

私は遺族として、大切な姉の為、今、宝塚歌劇団に在団している者として 想いを述べます。いくら指導という言葉に置き換えようとしても、置き換えられない行為。それがパワハラです。

 劇団員は宝塚歌劇団が作成した【パワーハラスメントは一切行わない】という誓約書にサインしています。

 それにもかかわらず、宝塚歌劇団は、日常的にパワハラをしている人が当たり前にいる世界です。

 その世界に今まで在籍してきた私から見ても、姉が受けたパワハラの内容は、そんなレベルとは比べものにならない悪質で強烈に酷い行為です。

 厚生労働省のパワハラの定義を見れば、姉が受けた行為は、パワハラ以外の何ものでもありません。

 宝塚は治外法権の場所ではありません。宝塚だから許される事など一つもないのです。

 劇団は今に至ってもなお、パワハラをおこなった者の言い分のみを聞き、第三者の証言を無視しているのは納得がいきません。

 劇団は、生徒を守ることを大義名分のようにして、パワハラを行った者を擁護していますが、それならば、目撃したパワハラを証言してくれた方々も、姉も同じ生徒ではないのですか。そもそも【生徒】という言葉で曖昧にしていますが、パワハラを行った者は、れっきとした社会人であり、宝塚歌劇団は一つの企業です。

 企業として、公平な立場で事実に向き合うべきです。

 スケジュール改革や、各種改善策に取り組んでいるような発表をしていますが、姉の死を軽視し、問題を曖昧化しているとしか思えません。

 これ以上姉と私たち遺族を苦しめないでください。

 姉は体調を崩している訳でも、入院している訳でもありません。

 二度と帰ってきません。

 姉の命の重さを何だと思っているのでしょうか。

 劇団は、「誠意を持って」「 真摯に」という言葉を繰り返して、世間にアピールしていますが、実際には、現在も遺族に誠意を持って対応しているとは思えません。

 これ以上無駄に時間を引き伸ばさないでください。

 大切な姉の命に向き合ってください。

 

 

合意のときのご遺族の手記はこちらから引用しています。

 

 

2024年3月28日 ご遺族手記全文

 

あの日から季節は幾度か変わりましたが、私たちの時間は止まったままです。

娘を想わない日はありません。娘に会いたい、抱きしめたい、ここに居てくれたらと一日のうちの瞬間、瞬間に何度も思っています。

そして、助けられなかったことを悔い、娘に謝っています。

娘の夢をみて、目覚めた時の現実の虚しさに打ちのめされる、そんな朝を何度迎えたでし ょうか。

パワハラが無かったことを前提に作られた調査報告書は、こともあろうか劇団HPに掲載されました。

過重労働については見解の違いはあったものの、ある程度認める内容でしたが、パワハラ については、全ては娘に非があった、そのための正当な範囲内での指導だった、パワハラは一切無かったという酷い内容でした。

劇団が依頼した弁護士の聞き取りの場で、私たちが提出した娘の悲痛な言葉や証拠、そし てパワハラを実際に見聞きし、全てを話してくださった劇団員さんの数々の証言も全く反映されておらず、パワハラを行った側を擁護する内容でした。

劇団側にHPでの掲載を止めるように繰り返し求めましたが、1ヶ月以上経ってからよう やく抹消されました。

調査報告書の内容を盾に「パワハラはありませんでした」と断言され、「証拠があるなら是 非お見せいただきたい」と画面越しに挑んでこられた劇団の記者会見は、今でも鮮明に覚 えています。

それに対して、調査報告書の誤りを詳しく指摘し、私たちが入手した証拠や劇団員さんか らの証言を、直接提出しましたが、劇団は、第三者委員会を設置することはなく、パワハラ を行った人の意見のみを聞き、それを擁護しました。

今更ながら、2年半前にヘアアイロンによる火傷があった時に泣き寝入りせず、声を上げれば良かった、昨年2月に劇団がヘアアイロンによる火傷の事実を「事実無根」と発表した時に抗議すれば良かったと、後悔してもしきれません。

いずれにしても、事実は隠蔽され、娘の居場所は無くなっていたかもしれません。けれど、声をあげておけば、娘の命は救えていたはずです。

阪急阪神ホールディングス、宝塚歌劇団の幹部の方々に、もしご自分の娘が同じことになったら、どうされたのかと、お尋ねしたいです。

娘は決して弱かったわけでも、我慢が足りなかったわけでもありません。過酷な労働環境と、酷いパワハラの中でも、全力で、笑顔で舞台に立っていました。強く生きていました。私たちはそんな娘を誇りに思っています。

娘の尊厳を守りたい一心で、今日まできました。

事実を訴え続けた結果、当初は過重労働のみを認め、一切パワハラは無かったと主張された劇団が、多くのパワハラを認め、本日ようやく調印となりました。

言葉では言い表せないたくさんの複雑な想いがあります。

娘に会いたい、生きていてほしかったです。

最後になりましたが、娘にお心を寄せてくださった方々に感謝を申し上げます。

 

手記引用はここまでです。

 

 

合意書要旨はこちらから引用しています。

https://kageki.hankyu.co.jp/news/pdf/20240328_003.pdf

 

合意内容要旨

(1) 2021年8月14日、宙組上級生が、被災者が自分でやることを望んでいたにもかかわらずヘアアイロンで被災者の髪を巻こうとして、被災者の額に1か月を超えて痕が残るほどの火傷を負わせたこと、及び、それにもかかわらず、当該宙組上級生は、真に被災者の気持ちを汲んだ気遣い・謝罪を行わなかったこと。
(2) 2021年7月20日の新人公演の直前の2日連続深夜に、宙組上級生の指示により、被災者が髪飾りの作り直しの作業を行うこととなったこと。
(3) 2021年8月頃、宙組上級生が被災者に対し、新人公演のダメ出しで人格否定のような言葉を浴びせたこと。並びに、宙組プロデューサー(当時)がこれを認識しながら放置し、対処をしなかったこと。
(4) 2023年2月3日、宙組幹部4名が被災者を会議室に呼び出したこと、並びに、その後宙組生全員の集まりをひらいたことにより、被災者が過呼吸の状態になるほど大きな精神的負担が生じたこと。
(5) 宙組プロデューサーが前(4)項の会議室を確保し、被災者が精神的負担を受ける場を設定したこと、並びに、被災者が組替えを求めたことに対しこれを無視したこと。
(6) 2023年2月1日、劇団が、上記(1)の事件につき、「全く事実無根」との見解をホームページ上で発表したこと。
(7) 劇団が、被災者に対し、死亡前直近1か月間において、過大な業務量を課し、長時間業務を行わせたこと。
(8) 本件新人公演に向けた準備において、「振り写し」が必須ではなく、また本件新人公演の演出担当者が「振り写し」を行う必要はないと言っていたにもかかわらず、宙組幹部が、被災者に対して、「振り写し」を行うべきであると指導し、その結果、被災者に一層の過重な業務が課せられたこと。
(9) 本件新人公演に向けた準備において、「お声がけ」を行うことは必須ではなく、被災者を含む下級生に負担が生じる状況であったにもかかわらず、宙組幹部が「お声がけ」を行う必要はないと宙組生に指導せず、その結果、被災者に一層の過重な業務が課せられたこと。
(10) 本件新人公演に向けた準備において、本件新人公演の演出担当者の怠慢により、被災者が同人の業務を肩代わりせざるを得なかったこと。
(11) 2023年9月2日、本件新人公演の配役表に関して、宙組幹部が、午後10時以降の深夜帯に被災者を指導・叱責し、これにより被災者が午後11時50分になっても帰宅できない状況になったこと。
(12) 2023年9月下旬、宙組幹部が、被災者に落ち度がないにもかかわらず、「振り写し」に関し、被災者を指導・叱責したこと。
(13) 2023年9月27日、下級生による衣装の取り扱いに関する衣装部門からの苦情に関し、被災者に落ち度がないにもかかわらず、宙組上級生が被災者に対し、下級生の失敗は被災者の責任であるとして指導・叱責したこと。
(14) 2023年9月28日又は同月29日、宙組上級生Aが、被災者に落ち度がないにもかかわらず、「お声がけ」に関し、被災者を大きな声で指導・叱責したこと。その後、宙組上級生Aが、別の宙組上級生Bを呼び出し、被災者について指導したうえで、宙組上級生Bが、他にも宙組上級生がいる中で、被災者に嘘をついているかと繰り返し詰問したこ
と。
以上