こちらが「合意書の締結及び合意内容要旨」です。当たり前ですが「遺族代理人 阪急・劇団代理人」の連名です。

 

https://kageki.hankyu.co.jp/news/pdf/20240328_003.pdf

 

「自殺は本人責任」「パワハラ行為はなかった」「上級生たちはやってない」などのポストを目にするたびに、私はこのページにいって14項目を読み直しています。

 

なぜこの合意内容要旨が大切なのか。

 

1回合意しそうになったのに、流れたときの事情説明の会見を思い出してみましょう。ほぼ劇団が認め、いざ合意しようとしたら阪急・劇団代理人が「内容は認めるけれど合意内容は変えて劇団だけが発表する」と言ったのでした。だから妹さんが手記を発表し、このままだったら国際機関に持っていく用意もあるという流れになった…。

 

しかし3月28日に合意書の締結となりました。

 

つまり内容に関して、劇団だけが良いようにはできなかった。発表方法も劇団が望んだようにはできなかった。

 

ということになります。ただし、そのまま発表というところで劇団側代理人も文言、表現については相当食い下がったのではないか。ぎりぎり譲歩できるところでおたがい詰めて詰めてあの14項目になったはずです。たぶんどの単語の順序を替えてもだめな文章になっています。

 

・そのまま合意書要旨を発表する

・公式HPに掲載しておくこと

当然この2点も合意書締結の条件の中に入っていたのだと推測します。

 

株主総会資料を読み、何があったのだろうと歌劇団HPにいき、初めて詳細を知った友人が連絡をくれました。第一声は「宙組幹部ってなに?」でした。それから「宙組上級生ってどういう意味?」とも言ってました。総括すると「あかん」だそうです。特に株主総会資料にあった角会長の再任理由のところと照らし合わせて、「ひとことも歌劇団について触れてないや、責任とらんとあかんやろ? 」と。

 

合意書ページに個人名は1つもないんですよ。ですから全く知らないで読んだ人たちにとっては「宙組上級生という分類の全員」「宙組幹部といわれる人たち全員」がパワハラ行為者です。退団しているのか、今いるのか、そんなこともあのページではわかりません。「宙組全員、宝塚歌劇団全体でやったことに見える」とも言ってました。

 

「誰が」ではないんです。

宝塚歌劇団が起こしたことが書いてある。

そういうページです。

 

ご遺族は謝罪文だけで合意締結したわけではありません。亡くなった方のお名前はHPから消えてしまいましたが、合意書要旨が残っています。悲しくてひどい内容なのですが、それでもそこに残っています。何が行われたのか、残っています。残しています。

 

あの場所にご遺族のメッセージがあるのだと私は思っています。必ず適正な道を示してくれる、そういうページだと思っています。

 

産経新聞の半館貸切の画像を見ました。

なぜ公演中に亡くなった「その公演」の写真なのでしょうか。デリカシーに欠ける、なんの配慮も感じられない。宙組再開にあたって、何をしようとしているのか歌劇団の意向が全くわかりません。方向性不明のまま、見かけ上のチケット完売の上にあぐらをかいて、人々の忘却を狙うのでしょうか。