追記

「ドイツの憲法にはハーケンクロイツやナチを禁止するとは書いておらず(中略)誰が何のためにどう使っているかが問題のようですよ」というポストを見かけたので念のため。この人はたぶんこの記事をもとにしているのでしょう。

 

記事引用

柳原氏は「ドイツの憲法には“ハーケンクロイツやナチを禁止する”とは書いておらず、民主主義を毀損する、壊す、あるいは人を差別するようなものに使われることが問題だとしている。(中略)結局シンボルではなくて、どう使われているか、誰が何のために使っているかが重要になる」と指摘した。

 

この箇所と全く同じ文章なのでコピーペーストされたのでしょう。中略のところには旭日旗についての私見が入っていて、事実というより柳原氏の見解を述べたものです。

 

この記事の冒頭には

「ハーケンクロイツや右手を掲げる敬礼など、そのシンボルを公共の場で展示・使用することはドイツで法的に禁止されている。」とあり、実際にドイツでの使用は民衆扇動罪で禁止されていて、舞台などでも別のマークになっているんですよ。そこを読み飛ばしたのか、作為的に排除したのかわかりませんが、ドイツで使用は禁止ですよ と一応書いておきます。

 

 

とにかく国際的なことなので、宝塚歌劇団の舞台に関してそういう歴史的トンデモ話が出てくるのは 特に今は避けたほうがよいかと思います。なおわたしは花組の舞台についてはそれを否定するものではありません。人物相関図などはちゃんとナチス側としてドイツ国防軍も分けられており、そこは配慮があったと思っています。ただ史実にないことや現代の解釈にない歴史観が形成されることに危惧を感じているだけですので。(2月18日追記)

 

 

花組の舞台について、作家がポストで観劇批評を書いたら 批判だったためその後袋叩きにあっています。きのうもそのことについて書いたのですが、その叩きぶりがあんまりなのできょうも追加で書くことにします。

 

アルカンシェル

 

(ファンの多くのポスト)

・ナチスとドイツ国防軍は全く違う組織だからナチス賛美になっていない。

 

ナチスは政党なのでドイツ国防軍でナチスの人もいます。言いたいのはナチス親衛隊のことなのでしょう。ナチス親衛隊は悪くてドイツ国防軍は悪くないという対比になっているようですが、ドイツ国防軍も弾圧側でかなりの罪を犯したというのが現代の解釈です。つまりナチス親衛隊とドイツ国防軍に線をひくことはできません。あんまりポストで「違う組織だから」を連呼すると新解釈の形成とみなされて、国際的な団体から本当にクレームがつくのではないかと そちらがかなり心配です。わかっている人たちは黙って(呆れて)成り行きを見ているので。

 

それとフリードリヒ・アドラーがナチスでないのは当たり前なんです。だってユダヤ系オーストリア人なので。ドイツ国防軍の軍人にはなれるんでしょうか? きのう嫌味っぽく書きましたけれど、なぜ実在する政治家の名前をここに持ってくる必要があったのか、心底疑問に思っています。オーストリアでは有名な政治家(親子共)なので、こちらも国際的に話題になったら大問題でしょう。日本の政治家でたとえようかと思ったのですが、うまいのが出てきません。日本では誰でも知っている政治家が他国の劇で全く違う役に使われてる例を書きたかったんですが。

 

たぶん叩いているファンの方たちは史実なんてどうでもいいんでしょう。ちょっと調べればある程度はわかることですれものね。SNSに ファンのあの叩きぶりを冷笑するのが流れてき出したので・・・そして国際的な問題にならないよう老婆心で書きました。