タウンニュース最新号:2013年6月 6日号

住民主体でつくる「たまり場」

 「赤字と悪戦苦闘しながらやってます。でも、地域のたまり場として、存続させたいんですよね」。中希望が丘の手作り雑貨などを販売する「クラフトカフェ・きぼうが丘」(旧キボ・カフェ)の代表・齊藤恒樹さん(66)はそう語る。

クラフトカフェは地域住民らにより運営されており、講座やコンサートなどの催しも行う。昨年7月にはより持続的な活動を目指し、NPO法人を設立した。店番は全てボランティアで、資金源は雑貨とカフェの売上などと寄付。昨年度は約160万円の収入に対し、支出は約170万円。厳しい状況ではあるが、何とか運営を継続させている。

キボ・カフェから発展
 前身のキボ・カフェは、横浜市が2006年度から10年度にかけて行っていた地域活性化を目指す「地域経済元気づくり事業」によるもの。

07年10月に開所したキボ・カフェは、「環境・健康・食育」をテーマに講座やイベントを開き、地域の交流場として役割を担ってきた。市の委託期間は09年3月までだったが、地域の交流場として継続させたいという有志の思いから、その後も助成金に頼らず運営してきた。

 現在、運営委員会は20代から60代の10人。メンバーの品川朋恵さん(36)は2児の母親の視点を生かし、親子が集まれる場をつくりたいと考えている。

「私たちの世代からは少し入りづらいイメージもあったから、まずはそこを改善させたい。子どもと集まれる場は必要」。夏休みには子ども向けのイベント開催を検討しているという。

 キボ・カフェ時代から運営に携わる齊藤さんは「通常の店だったら閉店になってるレベル。でも、趣味を通じて交流できる場は残したい」。安定した運営のため助成金の申請もしているが、店の存続は集客にもかかっている。

今後は季節感のある商品開発や新たな講座開催なども視野に入れているという。たまり場の存続には地域の支えだけでなく、運営側の創意も不可欠だ。