一般社団法人 日本看護倫理学会は、
2024 年 10 月 1 日から定期接種を開始するとされている
自己増幅型 mRNAワクチン(レプリコンワクチン)の安全性および倫理性について
緊急声明を発表しました。


・一般社団法人 日本看護倫理学会 ホームページ
    https://www.jnea.net/

・緊急声明文PDF
    https://www.jnea.net/wp-content/uploads/20240806kinkyuseimei.pdf


以下、記事を抜粋します。

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【緊急声明】
新型コロナウイルス感染症予防接種に導入されるレプリコンワクチンへの懸念
自分と周りの人々のために


要約
一般社団法人日本看護倫理学会は、次世代型 mRNA ワクチンとして、世界で唯一日本のみで認可され、2024 年 10 月 1 日から定期接種を開始するとされている自己増幅型 mRNAワクチン(レプリコンワクチン)の安全性および倫理性に関する懸念を表明します。


はじめに
新型コロナウイルス感染症に対する予防手段として遺伝子操作型ワクチンである mRNAワクチンが導入され、多くの国民が接種しました。いままでのワクチンが、ウイルスや細菌などの病原体を弱毒化したものやその成分を抗原として接種しヒトの免疫応答を誘導するのに対し、遺伝子操作型ワクチンは、当該抗原(スパイクタンパク質)をヒトの細胞内の遺伝機構を用いて作らせる点が大きく異なります。そして、昨年 11 月 28 日に、自己増幅型 mRNA ワクチン(レプリコンワクチン)が世界に先駆けて日本で認可され(CSL, 2023; Sheridan, 2024)、以来日本は世界で唯一の認可国となっています。認可されたレプリコンワクチンは米国の Arcturus Therapeutics が開発し、ベトナムでの大規模な治験(第 I~第 III 相臨床試験)(Ho"et al., 2024)を経て、製造と販売を日本の Meiji Seika ファルマが行なうものです。レプリコンワクチンは、これまでの mRNA ワクチンの抗原産生機能に加え自分自身を複製する機能があるため、少量の接種で長期間スパイクタンパク質を産生します。このレプリコンワクチンは 2024 年 10 月 1 日をめどに定期接種を開始する(読売新聞, 2024)とされていますが、本学会は以下の通り、このワクチンの安全性・倫理性に関する懸念を表明します。


※ 下記1~5の内容については、PDF本文を参照ください。
 1. レプリコンワクチンが開発国や先行治験国で認可されていないという問題
 2. シェディングの問題
 3. 将来の安全性に関する問題
 4. インフォームドコンセントの問題
 5. 接種勧奨と同調圧力の問題


結論
一般社団法人日本看護倫理学会は、レプリコンワクチンの導入に関してはさらなる研究と長期的な安全性データの収集が必要であり、十分なインフォームドコンセントの確保と、接種に関する勧奨と同調圧力の排除が求められると考えます。われわれは、安全かつ倫理的に適切なワクチンの開発と普及を強く支持するものではありますが、そのいずれも担保されていない現段階において拙速にレプリコンワクチンを導入することには深刻な懸念を表明します。