日の暮れた間は窓の外も静か

昨日ぐらいからコオロギが1匹鳴き出した




賃貸生活も長いし、
住む町もいろいろ




住み慣れた地元とかけ離れた空気は、
非日常感があって新鮮で、
はじめは旅行気分で楽しめるのだが


慣れるというのは大変


一度覚えた違和感は
払拭できないどころか
日毎に増して膨らんでゆく




ここで初めて感じることはたくさんある


実家の畑の野菜が恋しくなったのも初めて



上階の足音に耳を塞いだのも初めて









音が聴こえなくなるという不安は計り知れなかった


回復した聴力が
上階の足音を辿っている、というのも

決して気持ちのいいものではないし


今夜なんて、
新しいガラスの器に盛りつけた
茄子の冷おひたしを
小皿に取り分けようとしたら、

お箸でガラスの縁を鳴らしてしまってね

その音が大嫌いな電話の呼び出し音の始めの一音に完全一致してるものだから、

全身ビリっとキヲツケしてしまったよ



怖い音もたくさんあるけど、

それでも、
少しの生活音が私を安心させてくれる







夏も真っ盛り

静かに過ごす季節も、
忌み嫌わず、

冷房の少しの音を子守唄にしておやすみなさい

明日も朝は蝉に起こしてもらう