御所市の葛城一言主神社に

雄略天皇の像が完成しました

 

雄略天皇といえば

大和政権を東国から九州まで

拡大した王です

埼玉県行田市や熊本県の古墳からは

名前の入った剣が出土しています

 

そして

万葉集の巻頭の歌が有名です

 

堂々としたからだつきに

立派な髭をたくわえた雄略王は

なかなかのイケメンです

 

春のある日

桜井市朝倉付近を通ります

そこには

菜摘みに来ている娘たちがいました

その一人に声をかけます

 

「籠もよ み籠持ち

 掘串もよ み堀串持ち」

お嬢さん

籠も いい籠を持っていますね

ヘラも いいヘラを持っているではないですか

 

今も昔も女性の持ち物をほめるのは

変わらないですね

「も」をつけるのがいいでしょ

今なら

そのバッグ「も」いいね となります

 

「この丘に 菜摘ます児

 家告らせ 名告らせね」

この丘で 菜を摘んでらっしゃるお嬢さん

家をおっしゃい 名前をおっしゃいな

 

そら来た

見初めたようです

 

「そらみつ 倭の国は

 おしなべて 我こそ居れ

 しきなべて 我こそ居ませ」

神聖な大和の国は

ことごとく 私が治めている国だよ

隅々まで 私が支配しているのだよ

 

やるね

自慢ともとれる自己紹介

さすが王はちがう

 

「我こそは 告らめ 家をも名をも」

私の方から名のりましょう

家も 名も

 

これ完全なナンパですやん

こういう読み方をすると

万葉集が身近に感じませんか

 

女性が名前を伝えると

「はい わかりました」

という意味になります

 

名前は簡単に教えないというのが

日本の風習でした

 

清少納言も紫式部も

本名ではなく 本名は不明です

 

名前を大切にしていたのかも

 

この歌は他にも

「統治を宣言するもの」や

「五穀豊穣を願うもの」など

いろいろな説がありますが

本当のことは分かりません

 

万葉集には

詠み手の思いや感情が

込められています

だから

巻頭の歌は

「プロポーズの歌」のほうが

いかにも万葉集らしいと

思いませんか