カバのおじさんと呼ばれた

西山登志雄さん

上野動物園の飼育係を

していたあるとき

 

カバが毎日涙を流して

鳴いたそうです

 

心配で 心配で

 

どこか痛いところがあるのではと

体温を測ったり

けがをしていないか体の傷を調べたり

口の中をのぞいたり

うんちの中に手を突っ込んで

食べたものを調べたり

 

それでも

カバは泣きます

 

いろいろ試してみましたが

原因が分かりません

 

途方に暮れ

朝から晩まで

一緒に過ごすことにします

 

泣いたときには

体をさすったり

言葉をかけたり

 

何日目かの夕方

カバの横で添い寝をしていたとき

泣き始めました

 

西山さんは 気付きました

カバの目線の先には

夕日が沈むところでした

 

太陽の光が

ちょうど カバの目に当たって

まぶしくて泣いていたのです

 

カバと同じ目の高さにいて

初めて知ることができたのです

 

 

生徒の気持ちが分からなくて

悩んでいたとき

ある先生が教えてくれた話です