ハギちゃん

味があります

 

1年中半袖で過ごします

「ハギちゃん 寒くないの?」

「寒くないっ」

「冬やけど」

「寒くない」

短い言葉が返ってきます

会話が続かない

 

片付けが苦手

かばん 机 ロッカーは

物がどんどん突っ込まれて

いっぱいに

「ハギちゃん 整理整頓できるようにならないと」

「いやだ」

なかなか 強情な面も

 

ノートを見ると 暗号のような字

ミミズが這っているというよりも

斜めの線がいろんな方向に伸びている

シャー シャー シャー という感じ

「ハギちゃん 丁寧に書かないと」

「できない」

 

お知らせプリントを親に見せない

「ハギちゃん 家の人困るやろ」

「う~」

都合悪くなると うなります

 

提出物も全く出しません

そんなハギちゃんですが

テストをすれば 高得点

どんな頭脳をしているのか

3年生になると

さらにUP

 

「ハギちゃんの頭をあけて脳みそみてみたいわ」

というと

一瞬 ニヤッと笑います

 

親しい友人からは

「ハギちゃん ハギちゃん」と

呼ばれて 人気がありました

味を分かってたんですね

 

県内の私立高校から

京都の有名国立大学へ

 

たぶん今は

研究者になっているのでは

ないだろうか

 

ハギちゃんは

かなり濃い味なので

そのまま大人になると

ちょっと生きずらいかも

 

みんな 味を持っている

味って

作ろうとしても 作れない

自然と しみ出すもの

いい味を出すには

飾らない

自分であり続けることかな

 

もし

ハギちゃんに会ったら

今もいい味出してるか

教えて