そろそろ虫が出てくるころ

 

夜になると

電灯に

コツンコツンとぶつかっています

 

誰もが

虫は光に向かって飛んでいるからと

思っています

 

いやいや

今読んでいる本の中で

おじさんが小学生に教えます

 

虫は

光の位置を頼りに飛んでいる

月 星 太陽を見ながら

 

光が自分から見て

いつも同じ方向にあれば

まっすぐに飛んでいることになるから

 

でも 人間が

電灯のような小さな光を

つくるようになったから

さあ 虫たちは 困った

光を 自分から見て

同じ方向に保つためには

光を中心にぐるぐる回ってしまう

 

そして

その円は どんどん小さくなって

終いに 頭をぶつけてしまう

他の光が現れるまで

夜が明けるまで

ずぅーと

何回も 何回も

頭をぶつけてしまう

 

だから

夢は大きなほうがいいんだ

 

大きければ 大きいほど

まっすぐに飛べるから

 

 

 

教えてくれたおじさんは

裾を鳴らすおっさんとは別人です