タンパク質はアミノ酸が多数連結して織り上げられる分子です。
アミノ酸は性質の違いで約20種類に分類され様々な組織を構成
するだけでなく全ての生命活動に欠かせないモノです。口にした
タンパク質は胃や腸の消化作用で構成要素のアミノ酸に分解され
細かくなったアミノ酸はヒトのDNAの塩基配列をもとに目的に合った
タンパク質に転写、コピーをしつつ順序よく再合成されます。
tRNAと呼ばれる分子はアミノ酸の種類毎に存在しタンパク質翻訳
や転写修飾が施す機能があるアダプター分子で遺伝情報mRNA
とタンパク質のアミノ酸配列を物理的に結びつける役割があります
アミノ酸がtRNAのトンネルを潜り抜けると決まったタンパク質に折り
畳まれるという寸法です。誠に神秘的な働きですが私達の体内で
絶え間なくこんな作業が繰り返され生命を維持しています。
私達の口から胃腸、肛門までの経路はぐにゃぐにゃに曲がる一本の
長いトンネルの様な形状ですが胃腸の中は単純にドーナツの穴です
言い換えれば内なる外と言えます。でも内なる小宇宙とは異なります。
単細胞生物が食べ物を包み込み消化吸収する為の言わば玄関扉の
前のエトランスみたいな場所でそこで宅配便を受け取ったり料金を
支払ったり交換所みたいなスペースと言えるでしょう。
細胞膜にも動物であれ植物であれ必要な養素を受け入れ不要な
モノを外に出すミクロなトンネルが沢山通じています。ウィルス等は
この通路に侵入し増殖し拡散していきます。コロナ風邪のワクチンは
こんな通路を塞いでしまってウィルスの侵入を妨害し発病を予防する
効果を期待して接種されます。ただ選択しての防御は出来ない為、
予想しきれない副反応が確率で顕れるコトになります。
分子レベルで通過できるトンネルがあるならもっと小さな素粒子が
行ったり来たり出来るトンネルも当然存在するでしょうし、エネルギー
が行き来する壁も有る筈です。ただトンネルの向こうは小さすぎて
決して覗くコトは出来ませんし、まして人間が拵えたセンサーで検知
するのも無理でしょう。タラレバでは証明になりませんが、向こうを
垣間見るコトが出来るとしたらソコはもはやこの世では無いでしょう。
人は亡くなると通常この国では荼毘に付されます。肉体は最新技術の
火力調整が可能な炉で遺骨が多少残るように燃やされ分解されます。
残った遺骨は遺族の都合に合わせ数種類の大きさの壺に入ります。
その形で納骨堂に入ったりお墓に納めたりお寺に預けたり自宅で管理
する場合も有るかも知れません故人の意思やその他の都合で海に
散骨したり樹木葬や仏壇に保管されたりもあるでしょう。
かくして魂は肉体と云うこの世での居所を失うのですが分子レベルに
分解された元自分の肉体はこの世にバラ撒かれ肉体に絡まっていた
精神はあの世に旅立つコトになります。そして記念に残された遺骨は
故人を偲ぶ遺族との心の接点として維持され故人の念もほんの一部
この世に留まります。遺伝子の中に個性が宿るなら一人数兆個の細胞
の全てに魂が重なり、全てがあの世へのトンネルに通じます。
あの世とはこの世隣接する隣の世との中間領域のエトランスで真に
隣の世に移行するとこの世には戻ってこれません。稀に臨死体験を
する人はこの領域までの体験であり、まだ肉体が魂を受け入れ可能な
段階で無いと復活は適わないのです。でもこの領域は存在と反存在が
重なった世界であり、重たい肉体がなく自由にイメージも可能だし
望めば時を超え何処にでも瞬間移動できる自在の領域なのです。
仏陀の遺骨はバラバラに持ち去られ荼毘に付して残った砂利(舎利)
までもが塔に祀られこの世に念を残しました、舎利塔は信者と佛の
交流場所となります。あの世の向こうの世はこの世とは反対の世で
未来は判るけど過去が理解らない鏡に映した世であり最後はあの世に
旅立ちます。無数が一つであり、一つが無限に存在しても選択できる
トンネルはこの世と同じくたった一つだけなのです・・・・・
だから自分が選択したトンネルにはこの世の全てが在るのです・・・