選手として大リーグへの道を切り開いたのはドジャーズのレジェンド
野茂英雄投手かも知れません。トルネード投法と名付けられた独特な
投球フォームから繰り出されるフォークボールは一流のスラッガー達
を空振りさせノーヒットノーランを達成、最多奪三振も達成など多くの
記録を作りました。敵陣の外野スタンドからNO MORE!(もうダメ!)
のブーイングが湧き上がったコトを記憶しています。

彼は日本でプレーしていた時も数々の記録を達成し、パ・リーグ初の
沢村栄治賞も受賞しています。彼が大リーグに渡ったきっかけは強い
夢を叶えた訳でも無く、当時の監督にフォームの修正を指示されそれを
拒否した為、信頼関係が壊れ最終的に行く球団が無く安年俸で契約し
アメリカに渡り実績を積み上げて自らのアイデンティティを証明しました。
当時の監督も良かれと考えた指導だと思いますが其々流儀があります。

選手として必要とされる能力と監督として選手を育てたり采配する能力は
別物です。しかし多くの監督は選手時代の活躍を評価されまた期待されて
就任するので上位の立場で、そう易易と自らの信念とやり方を変えれません
このジレンマで数多くの有望選手が潰されてきたのも事実でしょう。でも
成功する選手の共通点は上から水を飲むなとか言った今では有り得ない
無理強いに隠れてこっそり水分補給できたモノだけなのです。

選手達の基礎体力は上から走り込みを強要されて養われるのではなく、
上のない状態で自ら必要性を感じ走り込んで身に付くモノなのです。何が
違う?と言えば、上から強要されて仕方なく走るとただ苦しく辛いので嫌
なのです。しかし自らの意思で走ると辛さが苦に感じないのです。逆に
ドーパミンが分泌され、ある意味ハイな状態になり楽しめてしまうのです。
その域に到達して初めてその上を目指せ技術が進歩します。

人にモノゴトを指導する時、相手を育成したいと考えるなら指導者が正しい
と思う方法を強要するのでは無く、相手を自主的に自らを育成できる方向で
強い箇所は削り、弱い箇所は補えるアドバイスに留めないと子供を育てる
時の様にやれと云えばしないし、やめろと云えばもっとする様になり目的を
果たせません。指導したい相手は誰であってもその人の人生の主役です。
その人にしか無い性分とスタイルがあり結果の責任者なのです。

子供を育てながら実は子供に育てられる如く人生は一生学びの連続です。
様々な人に其々の方法が有り、相手に合わないコトを強要するくらいなら
何もしない放任が最善の場合もあります。お相撲さんでない限りもっと食べろ
は違います。仮にお相撲さんであつても本当は違うのですが・・本当に必要な
栄養は嫌いな食べ物の中に入っているコトもありますし好き嫌いを無くすのは
個性を消すことにも繋がります。一人の相手にも固定した方法は無いのです。

相手を潰してやろうと考えているのなら別ですが、善い方向に進むコトを心底
望むならその場その場のアドバイスが何故が最善になるモノなのです・・・・・