自分が自分だと認識している自分って本当の自分なのでしょうか?
そもそも自分とは一体何モノなのでしょうか?自分、私、僕、俺、我・・
一人称の呼び名は言語毎とにも沢山在るでしょうが意味するモノは
同じです。この世界から自分以外の存在を全て消し去って残ったモノ
が自分となるのですが、身体は自分でしょうか?手は腕は足は目は?
身体とその一部を呼ぶときには”自分の”と所有格で呼んでいませんか?

所有格で呼ぶ以上なんだか自分そのモノでは無さそうです。なら自分は
何処に?身体に宿る精神が自分なのでしょうか?精神=魂はモノゴトを
考えたり出来るのでしょうか?人から魂を抜くともはやその人は生きて
いません、逆もまた然りでしょう!肉体と一緒に存在してこそ魂は時間を
得て人生を経験します。身体はモノの集まりなので新陳代謝を繰り返し
てもいずれ朽ち果てる宿命です。

有限の身体と無限の精神の交差点。その点に自分は居そうです・・
死ぬまで新陳代謝を繰り返し身体は何がしたいのでしょう?身体って
何モノでしょう?数十兆個もある細胞のコトでしょうか?はたまた細胞
分裂を促すDNAやRNAコトでしょうか?じゃなければその一部の遺伝子
のコトでしょうか?一人の人間の遺伝子の情報量は約750ギガバイト
有りこれは音楽CD1枚分に相当、これが一個の細胞核に含まれます。

この遺伝子は両親から半分ずつ受け継がれ唯一無二の自分だけの
オリジナルと言えます。兄弟とも双子の片割れとも選択と発現の違いが
在るので同じでは有りません。受け継ぎは生命の悠久の歴史ソノモノで
単細胞生物だった頃からの情報を伝えています。これが自分なのか?
いや待てよ!遺伝子は確か2種類在るはず、細胞核の遺伝子ともう一つ
ミトコンドリアにある遺伝子、この2つが生命を維持しています。

ミトコンドリアの遺伝子は必ず母親から受け継がますす。精子と卵子の
受精の瞬間、精子由来のミトコンドリアの遺伝子情報は消去され卵子由来
のミトコンドリアの遺伝子のみが残るのが理由です。これはどんな生物も
共通しているのでミトコンドリアは母系なのです。細胞核の染色体の内、

女だけが持つ最後のX染色体のY染色体に欠けた部分も女子だけに伝承し

Y染色体ソノモノは男子だけに複写されます。

数十兆もの細胞で進行し繰り返される情報の交換と上書きと消去と変異
そしてその集合体が織りなす無数の出会いと別れ、生まれては消滅し
一瞬たりとも同じ時を共有できない変化を常とするこの場所で追いつけ
追い越せと螺旋運動しながらキラキラと点滅する光の中にしか自分の
居場所は無さそうです。でもしっかり身体という受け皿は誰にでも準備
されています。ややこし過ぎますよね!この世は11次元ですからね・・・

アインシュタインは言いました。男は女に変わらないコトを望み、女は男に
変わることを望むと・・細胞核の遺伝子は変異が少なく視えるモノを伝え
ミトコンドリアの遺伝子は変異が頻繁に起こり視えない未来を引き寄せ
ます。この2つに優劣は無く、2つが逢ってこそ生命は進化し淘汰されて
来たのも事実です。自分が何モノかの答えは出ませんが自分の居場所は
なんとなく観えてきました。誰もが自分探しの旅の途中かも知れません・・・・・