昔よく行ったとんこつラーメンが美味しい店の客からよく見える壁に
印象に残る犬の版画と言うか切り絵と言うかあまり上手ではない言葉の
殴り書きと一緒に他数枚の絵と共に掛けられていました。犬は伏せて
身構えながら何時でも飛びついて咬むよ!みたいな感じでこちらを睨みつけ
味のある殴り書きは「従うでもなく 従わぬでもなく。」ご存知の方も多いと
思いますが高原鉄男さんという猫の絵を沢山残した人気画家の作品でしたが
56歳と言う若さで惜しむらくも急逝されていました。

 作家は亡くなっても作品は残ります。私が作者のコトを調べたのはほんの
数時間前です。でも犬の作品はとても印象深く記憶していました。この犬は
首輪が巻かれているので恐らく飼い犬でしょう、観た人を睨みつけていますが
実は飼い主に対しての態度なのでしょう。犬は繋がれているので自由では無く
食事は与えて貰わないと生きていけません。自然に放してくれるなら自力で
獲物を狩り生き抜く自信もあるのでしょう、でも飼い犬として餌は要るので
従うそぶりはするがナメられる謂れはないというコトなのでしょう。

 ラーメン屋さんのご主人がお客さんに観える様に掛けているのですから、
ご主人の心構えとも言えるでしょう。お代を頂くので客ではあるがこちらも
朝早くから仕込みに手を抜かず美味しいモノを提供するのだから、あくまで
対等な立場でありましょうというコトでしょう。全く賛成です。何故かこの
国はお金を出す人が有利な立場に在る様な社会構造が出来上がっていますが
本来はお金とサービスは等価なので交換が成立しています。買ってやるが
高じて売ってやると気概で勝ってやろうという策士まで出る始末です。

 モノゴトを選択したり決定したりするとその瞬間に選択しなかった側や
決めなかった側も同時に生まれます。例えば2つの椅子の右側に腰掛けたら
空いているのは左側の椅子という結果も生みます。選択肢は3つ在ります
右に腰掛けるか左に腰掛けるか若しくは両方に腰掛けないか、両方を同時に
占有するコトは叶いません。両方に腰掛けない状態が最も自由度の大きい
状態であり空の立場です。在るの反対は無いではありません。物質の反対は
反物質です。+の反対は-であって0ではありません。

 この0の状態が空であり+にも-にも0のままでもありえる状態なのです
量子コンピューターはこの3つの状態の自由度を駆使して驚異的な速度で
演算します。人は生きているととても調子の良い時や何をしても上手くない
時が誰にでもあります。調子の良い時はそのままで善いのですが負のスパイラル
に巻かれそうな時や既に巻かれている時は一度0のニュートラルな状態に
戻す必要があります、無理矢理前進ギヤーをバックギヤーに入れるとミッション
が壊れます進行を止めてニュートラルの状態にし逆ギヤーに繋ぐ様にまず
荒ぶる感情を収めるコトが第一です。

 今、凝り固まっている負の感情を捨てないコトには修正も出来ないのです
空の状態に戻れたらこっちのモノです。経験から学んだコトを生かし、次に
やって来る変化をこちらだという方向を何時でも戻れる形で選択してみて
上手く行けばGO!です。その調子の良い状態を基準に上を目指します。
でも調子のよい状態は真逆の状態も孕むので何時でも空に戻せる心の制御は
忘れてはいけません。有り難うの感謝の気持ちを忘れず、反対の当たり前
だと思う奢りの感情を湧かせないコトも大事です・・・・・