小学生の5~6年生の頃、安物の天体望遠鏡を買って貰った私は、真冬の夜
厚着して星座盤で目的の天体を探し夜空を眺めていました。土星の輪から始まり
木星のガリレオ衛星、月のクレーター、綺麗な二重星、三日月の様な金星、良く
判らなかったぼやっとしたオリオン座の大星雲、観たいのに最後まで特定出来なかった
アンドロメダ・・都会の明るい夜空では天の川さえ観えるコトはありませんでした。
でも林間学習に行ったときに夏の夜空に初めて天の川を見たときにはその星の多さに
感動し、時間を忘れて眺めていたコトを記憶しています。

 見かけの大きさが満月の直径の6倍程あるとされるアンドロメダは、田舎の夜空でも
綺麗に視えるコトはありませんでした。後々になって知りましたが、アンドロメダが肉眼で
見えても中心部がぼやっとしたぐらいにしか確認は出来ないモノで、星の図鑑にある様な
見事な渦巻き星雲は長時間露光して記録しなければそうは視えないそうです。天の川の
様なスターダストの渦巻きを期待していたのですが、少々大きな望遠鏡を使っても同じ様な
モノだそうです。でも綺麗な夜空を眺めていると、ある瞬間星空に吸い込まれていく様な
感覚になり、それがとても好きでした。

 星座としてはこじつけの様に神々の姿が線で繋がれていますが、実際は隣同士の星でも
見かけは同じような場所に視えても星までの距離は全然違います、星空はある意味時間の差も一つの絵として眺めていることになります、その時何だか時空が視えている一体感があり独特な気分に浸ることができました。宇宙に存在するハップル望遠鏡で覗けばそれこそ100億光年以上も離れた銀河も確認できるそうです、勿論長時間露光が必要なのですが、そんな遠い宇宙からも確実に電磁波が届いているコトになります、見えるか見えないかの問題があっても全宇宙の情報は地球の上で夜空を眺めている少年の眼に飛び込んで来ているのです。

 時空間を飛んで来るのは光などの電磁波だけではありません、X線やガンマ線、果てはニュートリノと呼ばれる地球など平気で通り抜けてしまう電荷を持たない宇宙線んまでもがやって来ています。これは言い換えれば全宇宙からの全ての情報が私にそして貴方に届いているとも言えるのです。スマホが世に出て現在進行形の百科事典が持つ人の検索一つで欲しい情報を瞬時に手に入れるコトが出来るように、実際は過去も裏側も真実も嘘も知りたい情報も知りたくない情報もこの宇宙の全てのあらゆる知識が飛び交っているのです。ただ人間の目はその一部しか視えないし、人間の耳は限られた音しか聞こえません。でも心の眼を開けば、心の耳を澄ませば、ちゃんと必要な知識は取り入れるコトは可能なのです。数々の天才と呼ばれる先駆者がしたように、私にも貴方にも・・・