先日パソコンのハードディスクがクラッシュしたので、入れ替えようと裏蓋を開け取り出しました、最近の量産型のパソコンは結構分解しやすく造られているので、素人でも作業し易く助かります、このハードディスクという代物は時たま問題を引き起こします、ハードディスクはまさしくハードなモノなので壊れるのですが、大事なデータやソフトが記録されていたりするので、クラッシュすると大変焦ることになります、大事なデータは必ずバックアップを残すというのは重々解っているのですが、邪魔臭くて疎かになります、結局差し替えるとパソコンは生き返るのですが、OSを初め必要ソフトの再インストール作業と各種設定を余儀なくされます、最近はディスクの容量が大きくなって何でも詰め込めて便利なのですが、クラッシュすると中の詰め込まれたデータもお手手繋いで団体でさよならされます、由々しき問題です、その内メモリー型のSSDに代わっていくのでしょうが、このSSDにも寿命や特有のデメリットがあるので問題は付きまといます。
パソコンはとりあえず使えるようにして、次はデータの救出です、プロにお願いすると、かなりの費用が掛かってしまうし、しかも全てのデータの救出の保証はありません、自分でUSB接続のスタンドを手に入れて壊れたハードディスクを差し込んでチェックします、これで素直に唸りをあげて回ってくれたらしめたモノです、データーの引越しが可能になります、これで回らなかったら、何時の日か復活の時が訪れるまで長期冬眠保存することに成ります、このハードディスクは高速回転を維持する為に極めて摩擦の少ない軸受けが使用されています、引越し作業が終わりUSB接続を離し電源を落として片付けようとするとものすごく強い力で抵抗されるのです、なんじゃこりゃ!とビックリしますが、電源を落としても高速回転は暫く続いていてその回転を維持しようとする慣性モーメントが働くので、回り続けようとするのですが、それを運ぶと今度はジャイロモーメントで回転方向を維持しようとかなり強い力で抵抗されるのです、回転部を駆動された地球ゴマを立たせるあの力です・・
この回転するという状態はある意味、自然界では基本の状態で大きくは地球の自転、太陽自身の自転と惑星の自転と公転、銀河系の自転に見られます、逆に極小の素粒子の世界では、スピンすることによってその存在を維持している部分があります、エネルギーが閉じた空間でスピンすることで素粒子が存在し、外的エネルギーが加わっていけば原子核などを構成していき、逆にエネルーギーを放出開放することで最終的には無に還ります、運動するモノは慣性モーメントが大きい動かしにくいモノほど動かすと止まりにくくなるのです、回転体はそれにジャイロモーメントが加わります、回転が存在を生み存在が場を生むのです、その場で回転している限り支えも要らないのですが、その回転軸を歪めようとする力に対しては抵抗します、無理やりずらされてしますと、そのずれた軸の傾きを維持しようと歳差運動をし、その回転軸の首振り運動を続けます、このジャイロモーメントは回転軸に対しての力なので、軸の向きを変えない方向には抵抗はありません、この時点で回転体が方向性を持つことになります、この理屈は大型船舶の傾きの制御装置に利用されたり、ヘリコプターのローターなど回転するモノ全ての安定に係わっています、フィギュアスケートの選手も回転ジャンプでその軸を歪めない限り、放物線の軌跡をジャンプしても同じ角度で着地できるのです、また同じ地点でスピンをする場合、姿勢を変化させる演技で、その力の干渉を身体で感じていることでしょう、 この世の中のモノ運動はこの回転運動と、そのモノが初速を付けて投げ出される直線運動とから成り立っています、直線運動にも回転運動のと同じく慣性力があり、重く動かしにくいモノを動かすと今度は止まりにくい性質を持ちますがジャイロモーメントは掛かりません・・
球やボールを扱うスポーツでは例外なくこの2つの力の相関を利用したり干渉をうけたりします、例えば野球のピッチャーが投げる変化球はキャッチャーのグローブに捕らえられるかバットに当たるまでは、重力の作用と空気の抵抗を受けながら、初速を付けて投げる瞬間にピッチャーに与えられた回転で空気の抵抗の濃い薄いが発生し随意に軌道を曲げられます、逆に故意に回転を与えず直進方向だけに慣性をかけられると、ある地点から空気の抵抗とバランスがとれストンと落ちるような軌道の球も投げることができます、いわゆるフォークボールのことですが、予測の難しい軌道はそれを駆使するピッチャーの決め球となり、その勝ち率に貢献します、その全ての干渉する力を利用してS字を描く軌道の魔球を投げるプロもいます、こういった技術はサッカーでもボーリングでもピンポンでもビリヤードでも最初に回転の向きや初速の強さを制御できるモノならなんにでも通用します特にピンポンでは相手のラケットのラバーに当たる瞬間その回転軸に与えられたジャイロモーメントが発現されるので、相手の球の打ち方でその回転軸の方向を把握し、そのモーメントを消す方向に制御して打ち返さないと球があさっての方向に飛んでいき失点することに成ります、素早いラリーの中でそれらを瞬時に把握し、身体を意のままに対応させることにより初めて対戦に勝つことができるので、テニスも同じでしょうが練習によって、並外れた身体能力の育成が必要になります・・
近年その発展が著しいドローンにもその基本的技術と理論が応用されています、素材やモーターや電源の小型軽量化とCPUの計算に拠り4つのプロペラの駆動のバランスを制御しながら、随意の方向に進行させることが出来、その可能性はまだまだ発展過程であり思いもしなかった利用方法が出てくることでしょう、この4つのプロペラの回転軸は全て一定のジャイロモーメントが掛かる方向に設計されているのでドローンの姿勢制御は、ことその軸の平行性に関しては軸が歪んでしまった時の為にセンサーでフィードバックもされ制御も受けますが計算されなくてもセルフでも保とうとします、回転自体は逆方向でも一定の方向の回転軸を持つということはそれを歪めない方向に対して、モノを進行させるのに都合が良いというか相性が良い面がある、というより自然界の全ての動きが陥り易い状態であるのかもしれません、ドローンのプロペラは空気を切って浮力を得ます、ドローン全体としては進行すれば空気の抵抗を受けますので、目下のところ操縦士が視認してコントロールする必要があり、あまり高速移動は必要とされない目的に開発されていますが、近い将来人間が乗り込んだり旅客機のように遠方の目的地まで到達する目的を持つようになれば、方向性に対し自由度の高い、都合の良い相性が生かされてくるのかも知れません。
ドローンは複数のプロペラの駆動による浮力と同時に発生する自身の平行を保とうとするジャイロモーメントの力を土台として、空中で土台というのもなんですが・十字に配された正逆反対の回転をするプロペラ同士の強弱の差を上手に制御し弱い方に流れていくという理屈で進行していて、ヘリコプターのように回転翼自体の軸の角度を傾けることにより進行させるのとは少し理屈が違います、ドローンの理屈は将来空気の浮力の必要の無い新しい推進装置が開発されることがあれば、宇宙空間に飛び出すことになっても、安定と随意の方向に機体を制御することに貢献できるでしょう、そして抵抗の少ない宇宙空間では、与えられた初速に対し追加加速が可能になり、想像を絶する高速度も得られる様になるのかも知れません、そんな夢のような高速度をどうやって制御するのだというと、その頃には想像を絶するほど知能指数が上がった人工頭脳が全部やってくれることになるでしょう・・・