2009年 アメリカ
クリスマスイブを迎えたロサンゼルス。葬儀屋を営む青年、植物状態の息子を抱えるストリッパー、生きる希望を失った元神父など、孤独な人々の人生が交差する。

他の人のレビューにもよく書かれているけど、タイトル(邦題)と内容…全然合ってないやん。ググってみると、なぜかいの一番にいかついプロレスラーが出てくる。そこで辞書を引いてみたら、undertaker【名】葬儀屋 …となっていた。つまり副題にある「葬る男」か…何かオカルトちっくな匂いがする。そこへ「4人の事件」と来ると、刑事とか探偵が出てくるのか?葬儀屋の絡むオカルトちっくな4件の猟奇殺人事件に刑事もしくは探偵が立ち向かう…タイトルといい、ポスターといい、もうそんなストーリーしか浮かんでこない。でも、内容はまるっきり違う。確かに登場人物の1人(エディ・レッドメイン)の職業は葬儀屋だけど、それだけのこと。オカルト要素はナシ。殺人事件も起こらないし、刑事も探偵も出てきません。勿論、いかついプロレスラーもね。(笑)エディ・レッドメインがファンタスティック・ビーストでブレイクしたので、その波に便乗して過去出演作を掘り起こして来て、同じテイストの邦題つけて、ポスター作りました…配給会社の商業的意図が見え見えで、とても残念。

とは言え…内容は、私わりと好きです。これはヒューマンドラマ。人生とは?死とは?幸福とは?考えさせられます。
冒頭から、雰囲気は暗いです。登場人物たち4人はそれぞれどうしようもない問題を抱えていて、それを何とかしようともがき苦しんでいる。そんな彼らが同じ街で微妙に関わりながらストーリーは進むのだけれど、最終的には彼らそれぞれが最も望まない結末となります。でも…それで彼らの人生は不幸なのだろうか?その不幸を味わった先にこそ光がある。全体的にたちこめていた暗い闇が、最後の最後にさしこんできた光でふんわり明るくラストを迎える…そんな映画でした。後味は悪くないです。

原題は「Powder Blue」淡いブルー。何かスラング的な意味があるのかな?それはよくわからない。それでもこの方がなんか素敵やん。人生の儚さとか、悲しみとか、そんな意味合いにもとれるし…。このまま邦題でいって欲しかったなぁ。