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2010年アメリカ
弟を事故で亡くし、自責の念に駆られる兄。墓地の裏手の森に死んだはずの弟が現れ、兄は弟と会うために墓地の管理人として暮らすが、ある日選択の時が訪れる。

「成仏できない弟の霊を相手に毎日墓地裏の森でキャッチボールをする兄」は「成仏できない平家の落ち武者を相手に夜な夜な琵琶を弾き語りする耳なし芳一」と似たような状況?これだとホラーになっちゃいますね。
でも、この映画はファンタジー。亡くなった人と出会うって事に対して、当人は何の
恐れも感じていないのだから…。この気持ち、なんだかわかります。
大好きな父を亡くした時のことを思い出しました。お通夜、告別式を終えて、家に帰ってきた時、うちの母が「四十九日までは、お爺ちゃんの魂はまだ家の周りにおって、家族の事見てるんやで」なんて娘たちに話したら、娘たちは「怖っ!」て言いました。このとらえかたはホラーですね。でも、私は…「もしそれが本当なら、まだ父に会える!」と思った。バカバカしい事かもしれませんが、それからしばらく、夜帰宅した際、ふと軒下や庭の隅に父が立っていないか、探してしまった時期がありました。例えどんな形であっても「大好きだった父ともう一度会える」と言うことは、私にとってはファンタジーでした。
そんなわけで、この映画の兄の気持ちにはなんだか共感できました。私には、そんなファンタジーは起こらなかったけどね。