””印章の権威を取り戻し、生気のある印章を”” | はんこや夫婦のつれづれ日記

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黄綬褒章受章・現代の名工・なにわの名工・厚生労働大臣検定一級印章彫刻技能士・愛知県印章協同組合技術講習会特別講師・全国印章技術大競技会審査員の「きあんおじさん」が、はんこのうんちく・職人としての生き方・はんこ業界のあり方を綴っております

お供物に電気の球も地蔵盆

【作者】茨木和生

 

 

お盆も終わった18日の日曜日に、一心寺に始祖を感じながらお参りさせて頂いた。

その流れで大工の始祖である聖徳太子の四天王寺にも足を運ばせて頂いた。

亀の池の甲羅干しを写真に収め、先日調べてみると、和亀はいなくなり、ほぼ外来種のアカミミガメとスッポンもどきのようである。

写真からは、幼少期に祖母と共に眺めていた風景とは変わっていないように感じるが、その頃のイシガメやクサガメなどの和亀は一匹もいなくなってしまったらしい。

昨夜、幼馴染からSOSのラインが入った。

今日は、地蔵盆です。

どうもお供えが少ないとのこと。

気持ちばかりのお供えを昨夜持参した。

今日の地蔵盆にも手を合わすことを約束して帰りました。

ご詠歌の声が夕方の町に聞こえていた頃の地蔵盆とは変わってしまったような気がする。

 

 

四天王寺の亀の池も地蔵盆もあるが、随分と変わったようである。

印章もあるにはあるが、きちんとした実用印章はどのくらい市場にあるのだろうか。

印章の印面も「売らなければ・売れれぼそれでよし」という流行り病に侵されたような顔をしているし、素材も本物がなくなりつつある。

最も重要なのは、その本質的な意義が見失われつつある。

作り手にも、販売者にも、使用者にも・・・。

これを救えるのは、工藝でしかないと思う。

そんなことを想い乍ら、今夜はお地蔵さんに手を合わせに行きます。

少し早い目に店を閉めさせて頂きます。